キャッシュレスの時代のチップはどうなる?

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イタリアもキャッシュレスが進んでいますが、青空市場や田舎町のバールは、まだまだ現金での支払いが主流。チップを残すのも、それほど問題はありません。

しかし余分な現金の換金は避けたいという理由から、イタリア旅行中の食事やお買い物はクレジットカードで支払う方が多いのではないでしょうか。支払いをクレジットカードでする場合でもチップは現金で置いていくことが大半です。

ただし、レストランによっては、クレジットカードでもチップを支払うことが可能なところもあります。支払う前に、「5ユーロほどチップを払いたいのですが」と言えば、加えてくれるようです。

「チップはさりげなく残す」という習慣と、クレジットカードでチップを支払うという新しいやり方は相容れない点が多く、あまり目にすることはありません。

ある評論家は「伝票に客が自由に記入できる『チップ代』という項目を設けるのが理想」と言っていますが、今後はチップの在り方も変わっていくかもしれませんね。

「見知らぬ人のためのコーヒー代」というナポリの風習

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南イタリアのナポリには、「Caffè sospeso(カフェ・ソスペーゾ)」という興味深い風習があります。

これは裕福な人がバールなどでコーヒーを飲む場合、もう1人分のコーヒー代を払う風習です。こうすることで、貧しい人が無料でコーヒーを飲めるという、ナポリでは有名な慣習なのです。

さすがに最近は、カフェ・ソスペーゾのために余分な金額を払う人は減りました。

しかしもともとイタリアには、こうした「伝票に書かないお金」に意味を持たせる習慣があります。そうした文化を知ると、チップも納得できますね。

イタリア旅行中は小銭や5ユーロ札を常備すると便利

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イタリアにおけるチップは、法律で強制されるものではありません。旅行中、小銭や5ユーロ札を切らした場合は、慌てなくても大丈夫です。

しかし、レストランやホテルのサービスに対して、感謝の意を伝えるにはチップは便利なもの。気持ちよく旅行するためにも、1ユーロや2ユーロのコイン、5ユーロ札は、常に出せるようにしておくことをおすすめします。

参考資料