3.2 おひとりさまシニア「厚生年金」月額はいくら?
• 男性:月額16万3380円
• 女性:月額10万4686円
• 全体:月額14万3965円
国民年金の月額は、平均5万6368円でした。男女ともに5万円台で、性別による差は見られません。
一方、厚生年金は男女で約6万円の差が見られます。男女全体の月額の平均は14万3965円ですが、男性の平均は16万3380円、女性の平均は14万3965円です。
厚生年金は、現役時代の給与や賞与などの報酬と年金加入期間によって年金額が決定します。年金額の男女差は、男性と女性の労働環境やライフスタイルが影響していると考えられます。
日本の公的年金制度は、現役世代が納める保険料を高齢者の年金額に充てる支え合いの仕組みですが、現役時代の働き方や稼ぎによって自身の年金額が決定するということも知識として頭にいれておきましょう。
さて、現在のシニア世代の年金額の平均月額を確認してきましたが、ご自身の年金見込額h「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認することができます。
これまでの年金加入状況に記録漏れや誤りがないかも確認できますので、一度チェックしてみてください。
4. 2023年度の公的年金「国民年金・厚生年金」は最大2.2%増額改定
2023年度の国民年金・厚生年金は、3年ぶりに増額改定となりました。
ご参考までに、年金額例を確認しておきましょう。
上記は、2023年度の新規裁定者(67歳以下)の年金額例です。
国民年金は満額で月額6万6250円。前年度から1434円の増額となりました。
厚生年金は、モデル夫婦が受け取る2人の年金額例で、月額22万4482円となります。
モデル夫婦とは、例えば以下のような夫婦です。
- 会社員の夫:月額43万9000円(賞与含む月額換算)で40年間就業
- 専業主婦の妻:40年間ずっと国民年金
夫の「国民年金+厚生年金」と、妻の「国民年金」を合算した夫婦2人分で受け取る年金額が月額22万4482円です。
5. 安心したセカンドライフを迎えるためには「備え」とは
今回は、おひとりさまの老後のお金事情について確認していきました。
おひとりさまの場合、少し体調を崩すだけでも日常生活が不安定になり、食事や衛生面を維持することが難しくなることや、近くでサポートしてくれる人がいないというリスクも想定されるでしょう。
また、老後に必要な資金としては、実際の生活費だけでなく、体調不良による医療費や介護費、住まいの維持・管理費など、急な出費が必要になる場合もあるでしょう。
年金の収入だけで悠々自適に暮らすことは難しく、早いうちから貯蓄をしておく必要があります。
銀行に預けておいても増えない低金利時代には、つみたてNISAやiDeCoなどを活用して効率良く資産を増やす方法も検討してみてはいかがでしょうか。
何事にも準備をするには時間が必要です。
安心した老後を迎えるために、少しずつ準備を始めていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和4年版 少子化社会対策白書」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
菅原 美優