来月10月13日(金)は、2カ月に1度の年金支給日です。国民年金や厚生年金は、4月・6月・8月・10月・12月・翌年2月の15日(土日祝の場合は直前の平日)に指定した口座へ振り込まれます。
生活費の固定費は「毎月」のペースで引き落とされるため、収入だけ2カ月に1回となると、なんだか収支が乱れてしまいそうですね。
さて、いまのシニア世代の人たちは、実際に月額いくらの年金収入で老後生活をやりくりしているかご存じでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上・無職おひとりさま世帯の生活費はひと月あたり約15万5000円。変動費が多少増えることを考慮して、年金収入が月額20万円以上あれば生活費をカバーできそうですね。
では月額20万円以上の年金収入を得られる人は、どれほどいるのでしょうか。厚生労働省の資料を参考に見てみましょう。
1. 厚生年金と国民年金は「2階建て」
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金から成り立つ「2階建て」構造です。
現役時代に加入する年金の種類が「国民年金」か「厚生年金」かで、老後に受け取る年金額が大きく違ってきます。
自分はどちらに該当するのか、そしてどのような制度なのかを確認しておきましょう。
1.1 「国民年金」1階部分
「国民年金」は、原則、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。
国民年金の保険料は全員一律です。年度ごとに見直しが行われ、2023年度は月額1万6520円です。
自営業者や20歳以上の学生などの第1号被保険者は、40年間(480カ月)、国民年金保険料を全て納めることで、老後に満額の国民年金を受け取ることができます。
なお、第3号被保険者となる専業主婦・専業主夫は、個人で保険料を負担する必要はありません。
1.2 「厚生年金」2階部分
「厚生年金」は、主に会社員や公務員の方が加入対象となります。
厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与に所定の率を乗じて決定されるため、収入が高い人ほど保険料が高くなる仕組みです(上限あり)。
老後に受け取る年金額は、納付保険料や年金加入期間によって決まるため、「現役時代の収入が大きく影響する」点が国民年金との大きな違いです。
2. 厚生年金と国民年金:2023年度は3年ぶりに年金額引き上げ
2023年度の公的年金は3年ぶりに以下のとおり引き上げとなりました。
2.1 【2023年度の年金額の例(67歳以下の場合)】
- 国民年金:6万6520円(2022年度:6万4816円)
- 厚生年金:22万4482円(2022年度:21万9593円)※モデル夫婦の場合
※モデル夫婦:夫は年収526万円で40年間就業・妻は専業主婦
先述したとおり、国民年金は保険料の納付状況、厚生年金は納付した保険料(年収により決定)と加入期間により年金額が決定するため、上記は参考程度に見ておきましょう。
3. 厚生年金の平均年金月額はいくら?
では、いまのシニア世代は実際にどのくらい年金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より「男女全体」と「男女別」で厚生年金の平均年金月額を確認していきます。
3.1 厚生年金の平均年金月額《全体》:14万円3965円
厚生年金の平均受給月額と年金月額階級別受給者数《全体》:14万3965円
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※上記の平均月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
3.2 厚生年金の平均年金月額《男女別》:男女差は約6万円
厚生年金の平均受給月額と年金月額階級別受給者数《男性》:16万3380円
- ~1万円未満 7万366人
- 1万円以上~2万円未満:1万4136人
- 2万円以上~3万円未満:5875人
- 3万円以上~4万円未満:1万580人
- 4万円以上~5万円未満:3万1646人
- 5万円以上~6万円未満:7万694人
- 6万円以上~7万円未満:17万8892人
- 7万円以上~8万円未満:26万5042人
- 8万円以上~9万円未満:25万7224人
- 9万円以上~10万円未満:28万4196人
- 10万円以上~11万円未満:35万8936人
- 11万円以上~12万円未満:44万6960人
- 12万円以上~13万円未満:52万9551人
- 13万円以上~14万円未満:62万4724人
- 14万円以上~15万円未満:72万5289人
- 15万円以上~16万円未満:81万5769人
- 16万円以上~17万円未満:90万3637人
- 17万円以上~18万円未満:96万5471人
- 18万円以上~19万円未満:95万3315人
- 19万円以上~20万円未満:88万9人
- 20万円以上~21万円未満:75万1043人
- 21万円以上~22万円未満:57万7586人
- 22万円以上~23万円未満:39万8787人
- 23万円以上~24万円未満:26万7701人
- 24万円以上~25万円未満:17万8056人
- 25万円以上~26万円未満:11万2141人
- 26万円以上~27万円未満:6万7929人
- 27万円以上~28万円未満:3万9296人
- 28万円以上~29万円未満:1万9670人
- 29万円以上~30万円未満:9237人
- 30万円以上~:1万4455人
※上記の平均月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
厚生年金の平均受給月額と年金月額階級別受給者数《女性》:10万4686円
- 1万円未満:2万9276人
- 1万円以上~2万円未満:6963人
- 2万円以上~3万円未満:5万519人
- 3万円以上~4万円未満:8万9784人
- 4万円以上~5万円未満:7万9430人
- 5万円以上~6万円未満:9万3183人
- 6万円以上~7万円未満:23万7418人
- 7万円以上~8万円未満:44万2558人
- 8万円以上~9万円未満:68万666人
- 9万円以上~10万円未満:85万1331人
- 10万円以上~11万円未満:77万7047人
- 11万円以上~12万円未満:59万523人
- 12万円以上~13万円未満:41万5686人
- 13万円以上~14万円未満:29万4029人
- 14万円以上~15万円未満:21万3811人
- 15万円以上~16万円未満:15万5836人
- 16万円以上~17万円未満:11万2272人
- 17万円以上~18万円未満:7万6925人
- 18万円以上~19万円未満:5万2191人
- 19万円以上~20万円未満:3万7091人
- 20万円以上~21万円未満:2万4351人
- 21万円以上~22万円未満:1万6322人
- 22万円以上~23万円未満:1万444人
- 23万円以上~24万円未満:6549人
- 24万円以上~25万円未満:3719人
- 25万円以上~26万円未満:2081人
- 26万円以上~27万円未満:1047人
- 27万円以上~28万円未満:488人
- 28万円以上~29万円未満:196人
- 29万円以上~30万円未満:135人
- 30万円以上~:361人
※上記の平均月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
厚生年金の平均年金月額は、以下のとおりでした。
- 男女全体:14万3965円
- 男性:16万3380円
- 女性:10万4686円
いまのシニア世代の人たちが現役の頃は、女性の社会進出がいまほど進んでいなかったことが厚生年金の平均年金額の男女差から読み取ることができます。
近年は、結婚をしない選択も珍しくなく、育児と両立しながらフルタイムで働く女性も増えていますので、男女差は縮まっていくでしょう。
4. 厚生年金「月額20万円以上」受給する人は約15%
厚生年金を月額20万円以上受け取ることができる人は、男女全体で約15%、男女別では以下のとおりでした。
- 全体:15.46%(月額20万円以上250万1594人÷全体1618万445人)
- 男性:22.49%(月額20万円以上2435万901人÷全体1082万8213人)
- 女性:1.22%(月額20万円以上6万5693人÷全体535万2232人)
月額20万円以上の厚生年金を受給できる人は、全体で6人に1人、男性は4人に1人、女性に絞ると100人に1人という結果に。
厚生年金は、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして支給される仕組み上、国民年金より手厚いと考えられていますが、月額20万円未満の人が大半なようです。
また、「月額20万円」といっても額面です。税金や保険料などが天引きされると手取り額は18万円程度になるでしょう(適用される控除により個人差あり)。
5. 老後生活への資産形成はマスト
先述したとおり、厚生年金の受給額は現役時代の年収や年金加入期間により個々で大きく異なるものです。
「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で、現時点の加入記録に基づく年金見込額を見れますので、一度確認してみましょう。
年齢を重ねるごとに、医療費の負担も大きくなります。いざという時のために介護費用も準備しておきたいものです。
また、近年の物価上昇により支出が増え、インフレリスクを肌で感じた人は少なくないでしょう。
こうしたさまざまなリスクにも対応できるよう、老後に向けて備えに厚みをもたせておくことをおすすめします。
参考資料
- 日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」
- 厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
和田 直子