2. 現在35歳・45歳の人の年金の支給水準
少子高齢化によって年金財政は厳しくなるため、年金の給付水準は低下する見込みです。
2019年財政検証による見通しを紹介します。
2.1 将来の所得代替率は50.8%
財政検証では、物価上昇率や出生率など年金財政に影響のある指標について数パターンの予測数値を基に所得代替率を試算しています。
平均的なパターンは「経済:ケースⅢ、人口:中位、労働力:経済成長と労働市場への参加が進むケース」で、具体的には次の通りです。
- 物価上昇率:1.2%
- 賃金上昇率:1.1%
- 運用利回り:2.8%
- 合計特殊出生率:1.44(2065年) など
上記パターンの所得代替率は、2019年の61.7%(夫婦の年金額22万円)から次の通り減少します。
()内は夫婦の年金額で、物価上昇率で2019年度に割り戻した実質額です。
- 2024年度:60.2%(22万1000円)
- 2040年度:53.6%(23万4000円)
- 2047年度:50.8%(24万円)
現在45歳の人は2043年に、35歳の人は2053年に年金受給開始年齢の65歳になるため、モデル世帯の年金額は現役男性の手取り収入の約半分になるという予測です。
ただし、実質的な年金額はアップします。