3. 今後の経済状況や出生率によって所得代替率は変わる
計算基礎となる予測数値が外れると、所得代替率は50%を下回る可能性もあります。
たとえば、出生率が低下すると所得代替率も下がりますが、2021年の合計特殊出生率は新型コロナウイルス感染症の影響などもあり「1.30」と低下しました。
一方、年金保険料を引き上げたり保険料の支払い期間を延長(国民年金は65歳まで加入、など)するなどの改正があれば、保険料負担は増えますが所得代替率がアップする可能性もあります。
4. 今後の年金の動向に注目
少子高齢化の進展により、年金受給者が増える一方で保険料を負担する人が減り、年金の支給水準は下がります。
現在の所得代替率は61.7%ですが、現在30代、40代の人が年金を受給するときは50%前後になる見込みです。
ただし、経済状況や出生率の推移によっては所得代替率が50%を下回る可能性もあります。
将来を見通すことは難しいですが、年金財政に影響を及ぼす環境の変化などをキャッチし老後対策に役立てましょう。
参考資料
西岡 秀泰