寿命が延び、さらには結婚をしない人が増えたことで、「家族のかたち」が様変わりし、老後をひとりで迎える人が増えています。
個人が自由な生き方を選べるのはもちろん歓迎すべきことですが、「結婚して、子どもがいて」という家族像を前提に設計された社会制度を頼ることができないケースも増えてきているのではないでしょうか。
ひとりの人生を謳歌するためには、それなりの経済力が必要です。そこで今回は「70歳代のおひとりさま」に注目して、統計データから懐事情を探ってみます。
1. シニア世代「おひとりさま」の割合は約3割
厚生労働省「2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況」によると、2022年時点の65歳以上の高齢者世帯のうち、ひとり世帯(単独世帯)の割合は、31.8%と約3割を占めていることが分かりました。
1986年時点では約45%を「三世代世帯」が占めていましたが、36年後の2022年には「三世代世帯」はわずか7.1%まで減少。一方、単独世帯は増加傾向にあり、2022年には31.8%と、1986年の13.1%から約3倍に迫る勢いで増えています。
生涯未婚でいることを選択した方、離別や死別などにより単独世帯となった方など経緯はさまざまですが、老後生活を「おひとりさま」で過ごす人は、年々増加していることが見てとれます。