エヌビディアの今後(2023年9月以降)

そして、同社はさらなる攻勢をかける。

2023年5月29日、アジア最大規模のICT見本市であるCOMPUTEXにおいて、「GH200 Grace Hopper Superchip」の新しいシステム、パートナー、および詳細を明らかにした

GH200 Grace Hopper Superchipは、最も要求の厳しい生成AIおよびHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)アプリケーションに対応する、驚異的なコンピューティング能力を提供する。従来のシステムに搭載されている7倍広い帯域幅で、最大900GB/秒の総帯域幅が実現され、大幅なスペックアップを図ることができる。

GH200 Superchip を搭載したシステムは、2023年下期より発売される予定である。

また、同社は、2023年8月8日(米国時間)、コンピューターグラフィックスの年次カンファレンス「SIGGRAPH」基調講演において、次世代の「GH200 Grace Hopper Superchipプラットフォーム」を発表した。

GH200 Grace Hopper Superchipプラットフォームは、CPUとGPUを組み込み、より高速な「HBM3eメモリ」を搭載することで、回路を行き来するデータの大容量化を実現した、次世代の NVIDIA GH200 Grace Hopperプラットフォームとなっている。

基調講演において、2024年第2四半期より出荷予定であると明らかにされた。

上記から、同社の本気度が十分に伝わるであろう。

エヌビディアの競合

さて、ここまで述べてきたが、最後に、同社のライバルとなる企業は存在するのか、について記載する。

同社の競合企業を敢えて挙げるとすると、AMD(Advanced Micro Devices, Inc.(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)、NASDAQ、AMD)である(AMDの直近決算はこちら)。

AMDのCEOであるリサ・スー(Lisa Su)氏も、同社CEOのジェンスン フアン氏同様に、台湾・台南にルーツも持つ。

なお、同社CEOのジェンスン フアン氏は、同社創業前にAMDでの勤務経験がある。

ゲーム事業ではGPUでバッティングし、AI向け製品でもAMDは、同社への対抗製品を既に発表しており、2023年10月~12月に販売を予定している。

2023年末以降、勢力図がどのように変化するのか、あるいは、同社がこのまま勝利し続けるのか、注視したい。

参考資料

石川 貴康