「エヌビディア」「NVIDIA」「エヌビディア」「NVIDIA」。
2023年において、8月までにニュース等で1番目にした企業名ではなかろうか。
「AIの会社でしょう」と回答されるかもしれない。それでは「AI」テクノロジーにおいて、具体的に何を行っている企業なのか。
ChatGPT(チャットGPT、Open AI, Inc.提供サービス)の類似サービス?
Microsoft Corporation(マイクロソフト、NASDAQ、MSFT)のように、ChatGPTと提携している企業?
それではエヌビディアについて見ていく。
エヌビディアの立ち位置(2023年8月29日現在)
正式な会社名は、NVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション。以下「同社」という))という。
NASDAQに上場しており、ティッカーシンボルは「NVDA」である。
同社CEOは、共同創業者の一人であるジェンスン フアン (Jen-Hsun "Jensen" Huang)氏であり、台湾・台南にルーツを持つ。
ジェンスン フアン氏は、発表会など同社CEOとして登壇する際には、「季節を問わず」黒色の皮ジャンパーを着用する。そのため、同氏は「革ジャン」の愛称で親しまれている。
ファブ(工場)を持たないファブレス企業であり、製品の「企画」「開発」「設計」を手掛けるのが同社の特徴と言えよう。
同社は、2023年8月29日現在、時価総額世界ランキングで第6位と急成長を遂げている企業である。
同5位のAmazon.Com(アマゾン・ドット・コム、AMZN)どころか、同4位のAlphabet(=Google、グーグル、GOOGL/GOOG)まで射程圏内にある。
なお、驚異的な業績となった2024年1月期第2四半期連結決算(対象期間:2023年5月1日~2023年7月30日)はこちらを参照いただきたい。
エヌビディアのこれまで
同社は、カリフォルニア州サンタクララに本社を置く、半導体メーカーであり、半導体でもGPU(Graphics Processing Unit)の設計に特化している。
GPUだと分かりにくいかもしれないが、「グラボ」「グラフィックカード」「グラフィックボード」と言い換えると、聞いたことがあるとなるのではないか。
具体的な製品名は「GeForce RTXシリーズ」「Quadroシリーズ」など)であり、PCゲームやクリエイティブ用途として、ゲーミングPCなどに組み込まれている。
よって、PCゲーマーや自作PCを趣味とする方々にとっては、知っていて当然の企業であり長年にわたり同社商品を愛用している。
そう、ゲームグラフィックの会社として、同社は有名だったのである。
エヌビディアの成長期
2016年~2017年にディープラーニング用途向けGPU製品にて、成長を加速させていった。
この時期の取り組みが、昨今注目の集まる生成AI(人工知能)向け製品へと繋がることになるのである。しかしながら、どれだけの人が未来を予想できたのであろうか。
日本との関係では、2017年3月発売の任天堂株式会社(東証プライム、7974)のゲーム機「Nintendo Switch」に同社技術が採用されていることで知られる。
また、ソフトバンクグループ株式会社(東証プライム、9984)が、2016年に同社に出資したことでも話題となった。なお、ソフトバンクグループ株式会社は2018年度第3四半期決算説明会において同社株をすべて売却したことを公表している。
2017年には、トヨタ自動車株式会社(東証プライム、7203)も同社と自動運転で提携している。
その際、「トヨタが『謎の企業』と提携」と記事化したメディアがあり、PCゲーマーなどの間では話題になった。
日本においては、「謎の企業」と呼称されるくらい同社を知る人は限られていた(繰り返しにあるが、一部界隈ではとても有名な企業であった)。
「謎の企業」が、2023年では「時の企業」となっている。
それでは、いよいよ「時の企業」となった要因である、同社のAI製品について見ていく。