【奨励会】将棋のプロ棋士になれるのは「三段リーグ」を突破した者のみ

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奨励会入会試験という狭き門を突破したとしても、進学や成績(棋力)の伸び悩みでの退会、また満21歳までに初段到達が叶わない場合は強制退会と非常にシビアな世界が待ち受けています。

とくにプロである四段になるための最終関門である三段リーグは過酷さで有名です。

4月から9月、10月から3月の年2回、半年をかけて各18局行われるリーグ戦は、将棋ファンの注目を集め、インターネット上で「誰が抜けるか」が話題に上ります。

三段リーグに到達するのも大変な上、リーグ在籍者約40人の中で上位2名に入らなければプロ棋士になれないという厳しい世界。

そして、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段昇段ができなかった場合も奨励会を強制退会となるのです。

編入試験などの特例もありますが、基本的に毎年プロ棋士は1年に4人しか誕生しません。

史上5人目の中学生プロ棋士でもあり、現在無敵の強さを誇る藤井聡太七冠でさえも、三段リーグ突破時には5敗をしており、その厳しさが分かります。

そのため、裏を返せば中学生プロ棋士は天才が集まる将棋界の中でも特別な存在なのです。

現在行われている三段リーグの成績上位者には中学生プロ棋士誕生の可能性のある奨励会員もおり、残り4局(8月18日現在)の結果は注目を集めそうです。

将棋は趣味以上の存在になることも

プロ棋士を目指す場合は子どもでも年齢に関係ない実力社会で自分の力を出すしかありませんが、趣味として楽しむには生涯を通じた趣味として長く付き合うことができます。

小学校では小学4年生頃から始まるクラブ活動でも将棋は鉄板のひとつですし、現在はアプリで初心者からでも気軽に楽しめるようになりました。

しかも、将棋の棋力は「アマ何段」と資格としても認められており、中学や高校生で全国大会に出場する腕前であれば大学進学の際でも大きなアドバンテージになります。

全国レベル大会で活躍する程の実力は必要ですが、将棋強豪校である早稲田大学、関西であれば立命館大学といった有名私立大学に自己推薦入試などで合格を目指すこともできます。

集中力を鍛える将棋は、子どもの成長を育むメリットも

このように将棋は強くなるための努力をし、棋力を向上させていけば単なる趣味以上の存在になります。

将棋をするには集中力も必要ですし、幅広い年齢の方と交流する機会も増えるでしょう。

お子さんが将棋に興味を持っていたり「強くなりたい!」と思っているなら、将棋教室に通ったり大会に参加して刺激を受けるのも良いですね。

真剣に将棋に向き合うことで養われる集中力や思考力は、子どもの成長を育んでくれる大切な財産となるでしょう。

参考資料

中山 まち子