【将棋】王座戦だけじゃない!8月の将棋界が「熱い」理由とは?

野球やサッカーと同じように、将棋の世界もアマチュアとプロの世界がハッキリと分かれています。

プロになるには野球ではドラフト会議での指名を経て入団するのが一番オーソドックスで、契約を結べば晴れてプロ野球選手に。

将棋の場合は、毎年8月中旬頃に関西将棋会館と東京の将棋会館の2カ所で、同じ日程で行われる「奨励会入会試験」がドラフト会議に近い役割となります。

東京・将棋会館(渋谷区千駄ケ谷) show999/shutterstock.com

【奨励会】全国から集まる神童たち

プロ棋士への登竜門である養成組織「奨励会」に入会する資格を得るための試験であり、全国からその地域で「神童」と呼ばれる中学生から小学生の精鋭が集結します。

しかし、試験をパスしたから即プロ棋士になれるわけではないのです。そして、年に1回のみの開催なので試験に合格しなければ来年まで待たなければなりません。

プロ棋士たちが「修業時代」と口にするのはこの奨励会時代を指し、藤井聡太七冠も、羽生善治九段も奨励会を経てプロ棋士となりました。

【奨励会】8月中旬に行われる厳しい入会試験

2023年の奨励会入会試験は8月18日と19日に一次試験が、20日に二次試験が実施されます(※)。

一次試験は受験者同士の対局です。子ども同士とはいえ自分の将来の夢へ近づけるかどうかの真剣勝負。4勝しなければ二次試験へと進めず、3敗を喫した時点で失格となります。

一次試験を通過しても、二次試験は奨励会員との対局が待ち受けています。

二次試験で1勝すれば晴れて奨励会入会となりますが、プロ棋士への道は険しく長いものです。

スタートラインとなる6級でもアマチュア四段前後の実力があり、高い棋力を持つ同士が月2回の定例会でしのぎを削り、規定となる成績をクリアしなければ5級、4級へと昇級することができません。

アマチュアでもなくプロでもないという非常にアンバランスな存在なのが奨励会員で、10代、20代という青春時代を全て将棋に注ぎ込みプロになるために日々鍛錬しないといけません。

※級位受験者の場合