凸版印刷のエレクトロニクス事業分野

【半導体】

当事業全体では前年同期比で増収となった。

フォトマスク(ガラス基板の遮光膜に非常に微細な回路パターンを形成したもので、複雑な半導体の回路をシリコンウェハに焼き付けるときの原版)は、アジア向けの需要を取り込み、前年同期を上回った。

高密度半導体パッケージのFC-BGA基板は、大型・高多層の高付加価値品が、データセンターやサーバー向けなどを中心に大幅に増加した。

【ディスプレイ】

テレビ向け反射防止フィルムや、車載向けTFT液晶パネルの需要減により、前年同期比で減収となった。

【新事業】

データセンターやEV向けなど、より高電力の制御が可能なパワー半導体の需要が増加している。同社においても、国内初の独立系パワー半導体ファンダリの株式会社JSファンダリとの協業により、半導体設計分野においてパワー半導体事業に参入した。

また、産業用の自律走行ロボットなどの普及を見据え、昨年度開発した最長30mを測定できるハイブリッドToF®センサを搭載した「ハイブリッドToF®カメラ」を展示会に出展し、早期事業化に向けた取り組みを推進した。

さらに、次世代インターフェースとしてのARグラスの普及を見据え、ARグラス向けナノインプリント(NIL)モールド量産に加え、NIL加工への領域拡大に向け、Cellid株式会社と業務提携契約を締結した。

以上より、セグメント売上高は前年同期比+4.8%の635億円、セグメント利益は前年同期比+15.4%の115億円となった。

凸版印刷の配当

剰余金配当は、1株あたり、中間配当を前期比+2円の24円、期末配当を前期と同額の24円としている。通期では、前期比+2円の1株あたり48円を予想する。配当予想の修正はない。

凸版印刷の株価

2024年3月期第1四半期連結決算の発表前となる、2023年8月14日の株価は年初来高値を更新して3387円となった。2023年8月14日の終値は3311円であった。

当1Q決算発表を受けて、2023年8月15日の株価は10年来高値を更新して09:04に3431円となった。

その後は下落し、2023年8月15日の終値は前日比35円安の3276円となった。

著者注:株価情報を更新(2023年8月15日15:00)

参考資料

石川 貴康