凸版印刷株式会社(7911)(以下「同社」という)が、2024年3月期第1四半期連結決算(対象期間:2023年4月1日~2023年6月30日)を発表した。

売上高は微減であったが、営業利益をはじめ、各段階利益は大幅な減益となった。要因は、一過性のものとして、通期業績予想の修正は行っていない。

配当予想も、前年比でプラスとなる予想を据え置いている。

凸版印刷の当第1四半期連結業績

売上高は、前年同期比▲0.8%の3877億円と減収であった。前年同期の、新型コロナウィルス関連一過性案件の反動減が影響した。

営業損益は、前年同期比▲27.8%の99億と大幅な減益となった。

  • 新型コロナウィルス関連一過性案件の反動減
  • フォトマスク(ガラス基板の遮光膜に非常に微細な回路パターンを形成したもので、複雑な半導体の回路をシリコンウェハに焼き付けるときの原版)の減価償却費増加

の2つが要因であった。2つの影響額を除去すると、前年同期と同額の利益であったため、2Q営業損益の大幅減益は一過性のものと考えられる。

経常損益および親会社株主に帰属する四半期純損益も、前年同期比で大幅減益となった。減益となったのは、営業損失▲39億円がそのままダイレクトに減益要因となり、加えて持分法による投資損益▲12億円が影響した。

凸版印刷のセグメント情報

同社は、「情報コミュニケーション事業分野」「生活・産業事業分野」「エレクトロニクス事業分野」の3つを報告セグメントとしている。

なお、当期よりスタートしている新中期経営計画に基づく成長戦略に沿って、各セグメントの内訳について、名称及び区分定義を見直していることに留意する必要がある。報告セグメントの取扱いに変更はない。