30年間の平均年収の推移
まずは、過去30年間の平均年収の推移をみていきましょう。
国税庁が公表した「令和3年分 民間給与実態調査」によると、2021年の平均年収は443万円となり、平成23年から平均給与にほとんど変動がないことがわかります(【図表1】参照)。
また、30年前となる1991年の平均年収は446万6000円であり、過去30年で最も高い平均年収は1997年の467万3000円です。
上記の傾向から、1991年から2021年まで平均年収がほとんど変わっていないことがわかります。
その一方で、消費税や社会保険料の負担は年々増え続けており、同じ年収額であっても30年前よりも手取り収入は減少しているのが現状です。
では、消費税と社会保険料の負担割合に変化はあるのでしょうか。
次章で詳しく解説していきます。
消費税の推移
前章では、平均年収が30年でほとんど変わっていないことが分かりましたが、税負担の1つとなる「消費税」はどのように変化しているのでしょうか。
消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供といった取引に対して課税される税を指し、消費者が負担し事業者が納付します。
約30年前である1989年に消費税の導入改革が行われ、当時の消費税は3%でした。
以降、【図表2】のとおり徐々に消費税が上がっており、現在消費税は10%(国7.8%、地方2.2%)に引き上げられ、その際「軽減税率制度」が実施されています。
段階的に消費税は増加しており、その負担はこの30年間で約3.3倍となっています。