4. 厚生年金「月額25万円以上」の高額受給者の保険料はいくらか?
今度は厚生年金を月25万円以上受け取れるひとは、いったいいくら保険料を納付してきたのでしょうか。
こちらについても
- 20~60歳の40年間厚生年金に加入していた
- 40年間年収が960万円、月額にして80万円である
- 厚生年金保険料率は18.3%、事業者と折半で9.150%
とした場合、1カ月で年金保険料は5万9475円、1年で71万3700円、40年で2854万8000円となります。
一方の受け取る金額は月25万円、1年間で300万円です。10年受給することで3000万円受け取りますので、10年間受給すると払ってきた保険料を受給額が超えるという試算です。
ただし、保険料額は変わるため、上記はあくまで試算となります。
5. 厚生年金のまとめ
年金を月に25万円もらえるならば、老後の生活にとって心強いものとなるでしょう。しかし実際には月25万円の年金を受け取るには、年収960万円を40年間貰い続ける計算となり、そう簡単ではないことが分かりました。
一方納める保険料も40年間では大きな金額となりました。しかし、長生きすればするほど、納めた以上の金額を受け取ることができます。
人生100年時代となり、長生きリスクを考えれば、生きている限り受け取れる年金の重要性はいっそう高まっていくでしょう。一度自分が受け取る年金の予定額を確認してみることをおすすめします。
参考資料
- e-Stat 政府統計の総合窓口の家計調査「家計収支編 単身世帯 詳細結果表」
- 厚生労働省「いっしょに検証! 公的年金~財政検証結果から読み解く年金の将来~」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「令和2年からの厚生年金保険料」
- 厚生労働省年金局 令和4年12月発表「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
高橋 禎美