年金以外にもある《シニア向け公的給付5選》60歳・65歳以上が対象の「申請しないともらえないお金」を確認!
高年齢求職者給付金・加給年金・年金生活者支援給付金など|見逃しやすい支援制度を整理
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2月は確定申告や新年度準備が始まり、家計の見直しを考える人が増える時期です。
物価上昇が続くなか、年金だけで生活する世帯にとっては、公的給付制度の活用が家計の安定につながる場合があります。
実は、シニア世代には「申請しないともらえない給付金」が複数存在します。
申請すれば受け取れる様々な給付金制度が用意されていますが、多くの方がその存在を知らないまま見逃しているのが現状です。
年金に上乗せされる給付金や賃金低下を補う制度、住宅改修の助成など、知っているだけで家計の負担を大きく軽減できる制度があります。
本記事では、見落としがちな5つの給付金制度について、受給要件から具体的な手続き方法まで詳しく解説します。
1. シニア世代が確認したい主な公的給付制度
定年後の生活では、年金だけでなく様々な公的給付金や支援制度を活用することで、経済的な安定を図ることができます。多くの方が対象となりながらも見落としがちな5つの制度について、受給要件や手続き方法を見ていきましょう。
1.1 年金生活者支援給付金
年金収入が少なく、生活に不安を感じている方のための支援制度です。この給付金は年金に上乗せして支給され、年金と同様に2カ月ごとの偶数月にまとめて振り込まれます。
支給額の目安は、老齢年金を受給されている方で月額最大5450円です。
対象者には日本年金機構から案内のはがきが送付されますが、このはがきを見落としてしまうと給付を受けられません。心当たりのある方は、年金事務所に問い合わせることをおすすめします。
1.2 高年齢雇用継続基本給付金
60歳以降も働き続ける方の多くは、定年前と比べて賃金が下がるのが実情です。この給付金は、そうした賃金低下を補うための雇用保険制度となります。
対象となるのは、雇用保険の加入期間が通算5年以上ある60~64歳の方です。60歳時点の賃金と比較して現在の賃金が75%未満に下がった場合、賃金低下の程度に応じて最大で賃金の10%相当額が支給されます。
通常は勤務先がハローワークへの手続きを代行しますが、まれに手続き漏れが発生することもあります。給与明細を確認し、給付金が支給されているか、念のため人事担当者に確認しておくと安心です。
1.3 高年齢求職者給付金
65歳以上で、仕事を辞めた方が受け取れる一時金制度です。通常の失業保険とは異なり、毎月の給付ではなく一括での支給となる点が特徴です。
受給には2つの要件があります。第一に、離職前の1年間に雇用保険の加入期間が通算6カ月以上あること。第二に、ハローワークで求職の申し込みを行うことです。
給付額は、雇用保険の加入期間に応じて基本手当日額の30日分または50日分となります。離職後は早めにハローワークで手続きを行いましょう。自動的に支給されるわけではないため、忘れずに申請することが大切です。
1.4 厚生年金の加給年金
厚生年金を受給している方で、一定の要件を満たす扶養家族がいる場合、年金に加給年金が加算されます。
加算される年額は、配偶者の基本額は23万9300円、第1子・第2子がそれぞれ23万9300円、第3子以降はそれぞれ7万9800円です。
申請は、老齢厚生年金の請求手続きと同時に行います。65歳の誕生日の3カ月前に届く年金請求書に家族情報を記入し、戸籍謄本や所得証明書などの必要書類を添えて提出してください。
1.5 高齢者住宅改修費用助成制度
介護保険には、住宅改修費用の一部を助成する制度が設けられています。高齢者住宅改修費用助成制度では、20万円を上限に住宅改修費の補助を受けられます。要支援・要介護の認定区分による違いはなく、認定を受けている方であれば同じ条件で利用可能です。
対象となる工事は、手すりの取付け、段差の解消、床材の変更(滑り止めなど)、引き戸への取替え、洋式便器への取替えなどです。
手続きの流れで特に注意すべきは、必ず工事着工前に申請することです。まずケアマネジャーに相談し、施工業者を決めて見積もりを取得しましょう。
著者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1000記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部 公開室
元・厚生労働省担当記者(社会保障専門紙)
中央大学法学部を卒業後、東証プライム上場IT企業での法人営業を経て、厚生労働省記者クラブに所属する行政・自治体向けの社会保障専門紙記者として活動。
現在は「公的社会保障制度(年金・医療・介護)」の仕組みと、「私的資産形成(NISA・iDeCo)」の税制優遇制度を横断的に分析し、生活者のための家計防衛術を提供する編集者として活動している。
各省庁が公表する難解な一次情報(e-Gov法令検索の条文データや、総務省統計局の家計調査など)を読み解き、現役世代からシニア層までを対象に、事実に基づいた実用的な解説記事を継続的に執筆している。
このほか、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも情報を発信している。
【経歴・専門性】
前職の専門紙記者時代には、厚生労働省本省および各地方自治体(保険者)を直接取材対象とし、現場の最前線で以下の重要政策の決定プロセスと一次情報に触れてきた。
これらの政策取材を通じ、「制度の複雑化が引き起こす、生活者のサイレントな不利益(申請漏れや制度の不知による経済的損失)」の構造を実務レベルで把握。役所の論理で構築された難解な制度設計を、IT企業時代に培ったデータ分析手法と掛け合わせることで、客観的指標(平均値ではなく中央値を用いた実態把握など)に基づく解説記事を執筆している。
【具体的な実績・保有資格・メディア掲載歴】
公的機関の一次データに依拠した客観的な記事執筆により、Yahoo!ニュース「経済ランキング」において多数の1位を獲得。具体的な執筆・担当領域における実績は以下の通りである。
- 公的年金・給付金領域:日本年金機構の公表資料に基づく「在職老齢年金による支給停止基準」や「年金生活者支援給付金の受給要件」の解説。また、国税庁のガイドラインに沿った定額減税や各種給付金の対象者判定フローの実務的整理。
- 医療・介護保険領域:高額療養費制度などの自己負担限度額の算出方法や、公的保障のセーフティネット範囲の図解解説。
- 資産運用領域:金融庁のNISA特設サイトや、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)のデータに基づく税制優遇メリットの数値化。特定の金融商品の購入推奨は行わず、公的年金の不足分を補うための長期積立投資の制度整理に特化。
- 貯蓄・家計管理領域:家計調査などの官公庁統計データに基づいた、年代別・世帯年収別の貯蓄実態の論理的解説、およびインフレ時代におけるリスク管理手法の情報提供。
- 保有資格・実務知見:東京商工会議所 ビジネスマネジャー検定試験®合格。上場企業での実務経験と当資格で培った「組織マネジメント」や「コンプライアンス・リスク管理」の視点を個人の家計防衛に転用し、ビジネスパーソンが納得できる論理的な解説の裏付けとしている。
【読者へ提供する価値と発信理念】
「役所の論理ではなく、生活者の視点で制度を翻訳する」ことを発信の基本理念としている。
複雑怪奇な社会保障制度においては、制度を知らないこと自体が直接的な経済的損失に直結する。この情報非対称性を是正し、「知っていれば救われたはずの人が損をする現状をゼロにする」ことが現在の活動における最大のミッションである。
そのため、記事執筆にあたっては個人の主観や推測、投資推奨は避ける。
そのうえで、読者の生活や資産に影響を与える領域であることを自覚し、読者が「国に頼りすぎず、国を賢く利用する」ための正確で安全な判断材料を提供し、生活者とその家族を守るための実用的な知見を届け続けている。
(2026年7月13日更新)