2. 【厚生年金】年金受給額と保険料納付額とは

厚生年金の受給額はどのように決まるのでしょうか。また納付する保険料とはどう関係するのでしょうか。

国民年金の場合、加入するすべての人の納付保険料は同じ額で、給付額は給付月数に応じて決まります。

これに対して厚生年金の受給額は、納付月数と加入期間の収入に応じて変わります。

納付する厚生年金保険料も、収入に応じて変わります。収入が多い人は納める保険料が高くなります(上限があります)。そして受け取る年金額も高くなるしくみです。

3. 【厚生年金】月額25万円以上を受給する人の年収は?

月に25万円以上の厚生年金をもらえる人とはどれほど稼いでいるのでしょうか。

厚生年金の受給額には国民年金の年金額も含まれています。令和4年度の国民年金の受給額は満額(480ヶ月保険料を納付した場合)で6万4816円です。25万円から国民年金受給額の満額を引くと18万5184円となり、年額では222万2208円です。

厚生年金を年に222万2208円以上貰える場合の収入はどれほどかを考えてみます。

対象となる人を

  • 20~60歳までの40年間厚生年金に加入していた
  • 厚生年金は報酬比例部分のみで試算する

とすると、

「平均標準報酬額×5.769÷1000×加入月数(480カ月)≧222万2208万円」

今回は平成15年4月以降の加入期間の従前額保障で試算をおこないます。

という計算式ができます。

この式から割り出すと平均標準報酬額は80万2496円となります。

日本年金機構の「令和2年からの厚生年金保険料」の表をみると、標準報酬額の最高位のランクである32等級で65万円です。月65万円の給料を40年間貰い続ける必要があります。

さらに、平均標準報酬として割り出した80万2496円との差、月額15万2496円、年額で182万9952円を賞与で得ることができれば、月に25万円以上の厚生年金を受け取ることができる計算です(ただし、標準賞与額は支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)につき、150万円が上限となります)。

月の給与で65万円、年の賞与で183万円、合計で年間980万円以上の年収があることが25万円以上の厚生年金を受け取る年収となります。現代は保険料の上限も決まっていること、また新人のころから40年間続けて980万円の年収があると考えると、なかなか難しいといえるでしょう。