2.【70歳代 vs 40歳代】貯蓄の平均値と中央値にはどのくらい差がある?
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年調査結果」から70歳代と40歳代の金融資産保有額についてみてみましょう。
まずは、金融資産ゼロ世帯をのぞいたデータ を比較していきます。
◆金融資産保有額の平均値と中央値
- 40歳代・・・平均値1132万円/中央値500万円
- 70歳代・・・平均値2360万円/中央値1200万円
◆100万円未満
- 40歳代:15.1%
- 70歳代:7.3%
◆100~200万円未満
- 40歳代:9.8%
- 70歳代:5.0%
◆200~300万円未満
- 40歳代:7.3%
- 70歳代:3.4%
◆300~400万円未満
- 40歳代:7.5%
- 70歳代:4.9%
◆400~500万円未満
- 40歳代:5.7%
- 70歳代:2.7%
◆500~700万円未満
- 40歳代:10.7%
- 70歳代:9.2%
◆700~1000万円未満
- 40歳代:9.9%
- 70歳代:8.0%
◆1000~1500万円未満
- 40歳代:10.0%
- 70歳代:12.7%
◆1500~2000万円未満
- 40歳代:5.1%
- 70歳代:8.8%
◆2000~3000万円未満
- 40歳代:7.1%
- 70歳代:12.3%
◆3000万円以上
- 40歳代:6.7%
- 70歳代:22.5%
◆無回答
- 40歳代:5.1%
- 70歳代:3.3%
40歳代の場合、貯蓄額100万円未満が最多で15.1%、ついで500~700万円未満(10.7%)、1000~1500万円未満(10.0%)が上位となっています。
一方70歳代は貯蓄額3000万円以上が22.5%で最多。ついで1000~1500万円未満(12.7%)、2000~3000万円未満(12.3%)となっており、全体の半数強が1000万円以上の貯蓄をもっているようです。
40歳代で1000万円以上の貯蓄がある割合は3割に届かない状況ですから、ここから老後までにどれだけ貯蓄ペースを加速させられるかが勝負といえるでしょう。
3.【70歳代 vs 40歳代】意外と多い貯蓄ゼロ世帯
さきほどのデータは「いくらかは貯蓄がある」という人のみを対象にしているため、平均値も中央値も比較的高くでています。
しかし、貯蓄がまったくないという人を含んだ場合、どのくらい変わってくるのでしょうか。
◆金融資産保有世帯だけの平均貯蓄額と中央値
- 40歳代・・・平均値1132万円/中央値500万円
- 70歳代・・・平均値2360万円/中央値1200万円
◆金融資産非保有世帯を含んだ場合の平均貯蓄額と中央値
- 40歳代・・・平均値825万円/中央値250万円
- 70歳代・・・平均値1905万円/中央値800万円
金融資産非保有世帯、つまり貯蓄ゼロ世帯を含む40歳代・70歳代の貯蓄額は、どちらの年代も平均値や中央値が大きく低下していますね。
金融資産非保有世帯の割合は40歳代が26.1%ですから、約4人に1人は貯蓄ゼロ。おなじく70歳代は18.7%で約4~5人に1人は貯蓄ゼロという状態です。
貯蓄をしたくても、目の前の生活でいっぱいいっぱいというケースや、冒頭のお金にたいする意識でみてきたように「自分のために使い切りたい」というタイプもいるでしょう。
しかし、老後は誰しもが年金収入だけで生活できるとは限りません。年金だけで不足する分は貯蓄を取り崩していくことになることを考えると、ある程度まとまった貯蓄は確保しておきたいところでしょう。