日本学生支援機構(JASSO)が行っている奨学金制度とはどんな制度?
奨学金とは、「大学に進学したいけれど、経済的な理由で学費が払えない」という学生が、学資金を借りたり、給付を受けたりする制度をいい、最もメジャーなのが、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が行っている奨学金制度です。
日本学生支援機構が行っている奨学金には、「給付奨学金」と「貸与奨学金」があり、貸与奨学金には、無利息で学資金が借りられる「第一種奨学金」と、借りた学資金に利息が付く「第二種奨学金」の2つがあります。
給付奨学金が受けられる年収目安
給付奨学金を受けるには、一定以上の学力を有する又は学ぶ意欲がであること、生計維持者の「収入基準」及び「資産基準」がどちらも一定以下であることなど条件をクリアする必要があります。
なお、生計維持者というのは、父母がいる場合は、原則として父母(2名)が該当します。
●収入基準(給付奨学金の場合)
生計維持者が、給与所得者となる世帯(年間の総収入金額)の収入・所得の上限額の目安は以下のとおりです。
【表1】より、もし世帯人数が4人であれば、給付奨学金が受けられる年収目安は以下のとおりになります。
《両親がともに給与所得者の場合》
両親の合計年収の目安が475万円程度(親A:320万円・親B:155万円)であれば、奨学金が受けられます。
《両親のうち片方だけが給与所得者・もう一方が無収入》
片親の年収の目安が378万円程度であれば、給付奨学金が受けられます。
ご自身の家庭が収入基準に該当するかは、「進学資金シミュレーター」で、確認しましょう。
なお、資産基準は、申込日時点のあなたと生計維持者(2人)の資産額の合計が 2000万円未満(生計維持者が1人のときは1250万円未満)であることが基準となります。
第二種奨学金の2023年5月貸与終了者の利率は「固定方式」で0.637%・金融機関の教育ローンより低い
借りた学資金に利息が付く第二種奨学金を返還する際の利率は、2023年5月貸与終了者で「固定方式」が0.637%、約5年ごとに利率が見直される「利率見直し方式」が0.168%です。
金融機関で借入した場合でいうと、「固定方式=固定金利」・「利率見直し方式=変動金利」と捉えておけばよいでしょう。
ちなみに、金融機関の教育ローンを現時点で利用した場合であれば、固定金利は0.9%~。
変動金利は1%~となります。
それと比べても、第二種奨学金の利率は低いといえます。
しかし第二種奨学金の利率は、学資金を借りる時点で利率が確定するのではなく、固定方式と利率見直し方式のどちらかを選ぶだけです。
将来、どのくらいの利率で返還することになるのかは未定です。
利率が固定している方が安心という方は「固定方式」がおすすめです。
まずは、日本学生支援機構(JASSO)の「第二種奨学金の貸与利率」で、両方の利率の動向を自身で確かめて決めるようにしましょう。