配当金や株主優待を目的に株式投資を行っても、日々の株価の変動は気になるものです。長期投資であっても身銭を切って投資しているので、株価が気になるのは仕方ありません。
株価の変動は、企業業績のみならず日本そして世界経済全体の流れからも大きな影響を受けます。そして株価の変動は、株式のリターンに大きな影響を与えます。
よって配当や優待を目的に株式に投資した場合でも、「株価の値上がり・値下がり」は株式のリターンとしては欠かすことができない要因です。
今回はソニーグループ(コード6758)について、配当金や株主優待、株価もあわせた「1年前に100株を買った人の本当のリターン」を確認します。
※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。
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1. ソニーグループの配当金のリターンはいくらか
ソニーグループの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年3月期の中間配当と、2023年3月期の期末配当」の計2回を受け取ることができます。
なお、配当基準日を迎えた時点でリターンが確定したとします。
今回の検証では、以下のような想定となります。
- 株式の取得日:2022年4月26日
- 株式の取得価格:1万1070円(取得日の終値)
- 2022年3月期・中間配当:35円
- 2023年3月期・期末配当:40円
- 100株ベースの配当金のリターン:7500円
それでは次に、株主優待のリターンを計算していきます。
2. ソニーグループの株主優待のリターンはいくらか
ソニーグループは毎年3月末日の株主名簿に記載された100株以上所有している株主に、ソニーの公式通販サイト「ソニーストア」とソニーストアの各店舗、地域店で使える割引用の電子クーポンを提供しています。
AV商品は15%オフ、VAIO本体は5%オフとなります。
例えば、ソニー製の液晶テレビ「BRAVIA・X85Kシリーズ」をソニーストアで見ると、17万6000円~となっており、この場合、割引額は2万6400円となります。
そのため、優待のリターンは2万6400円です。
3. ソニーグループの株式投資のトータル・リターンはいくらか
以上、配当金と株主優待のリターンについて振り返ってきました。
次に、株価変動によるリターンを計算します。
- 株式の取得日:2022年4月26日
- 株式の取得価格:1万1070円(取得日の終値)
- 取得から1年後の日付:2023年4月26日
- 1年後の株価の終値:1万2140円
- 100株ベースの株価変動によるリターン:+10万7000円
そして最後に、トータル・リターンを計算します。
- 配当金のリターン:7500円
- 株主優待のリターン:2万6400円
- 株価変動によるリターン:+10万7000円
- トータル・リターン(金額ベース):+14万900円
- トータル・リターン(%ベース):+12.7%
トータル・リターンは金額ベースで14万900円でした。
4. ソニーグループの配当金の推移を確認
ソニーグループ株式の年間リターンは12.7%でした。
最後にソニーグループの配当金の推移を確認しましょう。
配当金・株主優待・株価とそれぞれ分解して株式のリターンを確認すると、どの要素がリターンに影響を与えているか一目瞭然となります。
配当金や株主優待を目的に長期視点で投資した場合でも、株価水準を確認して、株式全体としてのリターンも把握しておきましょう。
参考資料
- ソニーグループ株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信[IFRS](連結)」
- ソニーグループ株式会社「BRAVIA・X85Kシリーズ」
- ソニーグループ株式会社「配当金」
- ソニーグループ株式会社「株式全般」
石井 僚一