1. 日経平均は上昇だが換金売りも
2026年7月10日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は前日比813円88銭高の6万8557円73銭でした。上げ幅は一時、1600円を超えました。前日の米株式市場で主要株価指数が上昇した流れを受けて、東京市場でも買われる展開となりました。
米国株式市場で人工知能(AI)・半導体株が上昇したことから東京市場でも関連銘柄の買いが優勢となりました。アドバンテスト、東京エレクトロンが上昇。ソフトバンクグループは一時14%高となりました。3銘柄だけで日経平均を800円あまり押し上げました。一方、10日には上場投資信託(ETF)の分配金(配当に相当)捻出に伴う換金売りもあり、午後には上げ幅を縮小しました。キオクシアホールディングスは午前には上昇していましたが午後には下落しました。
ファーストリテイリングは午前に2%近く上昇したもののその後は下落しました。9日に2026年8月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)予想を上方修正し、前期比15%増の5000億円になる見通しだと発表したものの、市場予想並みの見通しだったことから売られる展開となりました。
今週、日経平均はどのような動きになるでしょうか。10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、終値は前日比149ドル60セント高の5万2637ドル01セントでした。同日に原油価格が下落したことに加え、韓国の半導体メモリー大手、SKハイニックスの米預託証券(ADR)の米市場上場なども投資家に好感されました。
ただし、中東情勢は不透明感があります。一時、停戦に向けた動きが進展しつつあると見られていましたが、7月上旬には一転して両国の軍事衝突が活発になりました。12日には、イランの革命防衛隊がホルムズ海峡を再封鎖したと伝わりました。米軍は日本時間13日早朝にイランへの追加攻撃を開始したと明らかにしています。両国の応酬が激化した場合、原油価格が再度上昇することも想定されます。その場合、日本企業の業績にも影響が出るため、日経平均も上値が重い展開になることが想定されます。
中東情勢が悪化し応酬が激化した場合、日本企業の業績にも影響が出るため、日経平均も上値が重い展開になることが想定されます。1/2
SNEHIT PHOTO/shutterstock.com
2. 日経平均は25日線を割り込む
日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。4月上旬に25日移動平均線、75日移動平均線を突破するとその後は力強く上昇していました。中期的な上昇トレンドが形成されており、若干の調整が入っても、25日線にタッチするとそこから押し目買いが入り再度上昇するというパターンでした。6月22日には一時7万2831円と最高値を更新しました。
ただし、その後は軟調です。気になるのは、足元の下落でこれまで押し目買いのポイントとなっていた25日線をローソク足の実体が割り込んでしまったことです。25日線が下降気味になっており、75日線に近づいています。このまま25日線を回復できず、直近の安値である6月11日の安値(6万2335円)を下回ることになると、中期的な上昇トレンドも解消されてしまいます。まずは今週、25日線を回復できるかどうか、その後の6万9000円、7万円などの心理的節目を再度超えられるかどうかが注目されます。
最高値を更新後は軟調です。25日線が下降気味になっており、75日線に近づいています。2/2
DC Studio/shutterstock.com
参考資料
下原 一晃