貯蓄金額とセカンドライフへの不安

生活不安のないセカンドライフを送るにはある程度のお金が必要なのでは?と考える現役世代の方も多いのではないでしょうか。

令和元年度にまとめられた内閣府による「高齢者の経済生活に関する調査結果」では、資産状況と生活への不安との関連性が報告されています。

調査結果を以下の表にまとめました。

出所:内閣府「高齢者の経済生活に関する調査」を参考に筆者作成

調査結果からは、現在セカンドライフを過ごしている世代は、多少資産がなくとも過剰な心配せずに日々を過ごしていることが分かります。

貯蓄が100万円に満たない世帯でも、半数に迫る割合で生活への心配はさほどしていないという結果が出ています。

100万円〜500万円未満のゾーンでは、生活への心配をさほどしていない層は、おおよそ7割です。

生活面への心配が思いの外低い理由として、同調査内にて明らかにされている生きがいを感じる割合の高さが挙げられます。

セカンドライフにて生きがいを感じている人は、約8割となっており、心の豊かさが経済面への不安を払拭しているのではないでしょうか。

老後対策のもっとも重要な点は資産ではなく生きがいや、やりがいを感じられる生活なのかもしれません。

セカンドライフに向けた貯蓄計画

60歳代で4000万円以上の資産をもつ世帯は、17.7%となっています。

なお、2500万円以上の資産を保有する割合は、約3分の1にあたる33.3%です。

比較的多くの世帯がしっかりと資産を築き上げている一方、貯蓄300万円未満の世帯の割合は全体の14.8%存在します。

定年退職金の多寡や有無が、資産の明暗を分けているように推察されますが、仮に資産が少ないままセカンドライフへ突入しても、多くの世帯ではそれなりに生きがいを感じながら、生活している事実もあります。

満ち足りたセカンドライフを送るには、資産形成だけでなく、どのように充実した生活を手に入れるか、という点についても十分に考えておいたほうが良さそうです。

参考資料

LIMO編集部