内閣府が発表した「高齢社会白書2022(令和4)年版」によると、2065(令和47)年には、平均寿命が男性84.95歳、女性91.35歳になると見込まれています。
人生100年時代が現実となりつつある中で、リタイア後の期間が延びて、老後資金が不足する「長生きリスク」を意識する方も増えています。
今回は、70歳代の貯蓄額を確認しながら、老後対策を紹介します。
70歳代の貯蓄額はどのくらい?貯蓄あり・なしで二極化の現実
最初は、金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査2022(令和4)年」で、70歳代の貯蓄額とその分布を以下のグラフで見てみましょう。
70歳代の貯蓄額の平均は、単身世帯で1433万円、2人以上世帯で1905万円です。
平均をみると「やっぱり70歳代はそこそこの貯蓄を持っているな」と思うかもしれません。
しかし、データを小さい順に並び替えた時に真ん中に来る値である中央値をみてみると、単身世帯が485万円、2人以上世帯が800万円です。
単身世帯・2人以上世帯ともに、貯蓄2000万円以上の世帯(2人以上世帯28.3%・単身世帯24.3%)が全体の平均を引き上げているようです。
一方、金融資産非保有・100万円未満の割合は2人以上世帯で24.6%、単身世帯では33.5%という結果もあり、老後資金の貯蓄に余裕がある世帯、ほぼない世帯で二極化していることがわかります。
なお、上記の金融資産非保有者については、日常的な出し入れ・引き落としに使う生活資金以外での預貯金の保有がない方が対象になっています。