1. 【日本郵船の株価】第2四半期円高とともに株安に見舞われた2022年末
日本郵船の株価は2023年に入って3月ごろまで堅調でしたが、これは2022年11月公表された「2023年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」好決算と増配の影響を引き継いだものと考えられます。
同決算では売り上げが1兆3658億円で前年同期比3144億円の増収、経常利益が7653億円で同3680億円の増益となりました。
自動車輸送の好調のほか、ドライバルク船での輸送契約の獲得などが好決算のドライバーに。特に第2四半期においては定期船運賃の低下など、一部海運市況の悪化が見られたなか、懸念を跳ね返す形で発表された決算に投資家は安心感を得たと思われます。
また、この決算では中間配当を50円引き上げて1050円(※2022年9月末の分割前の株価を基準としている)としています。
日本郵船は近年好決算を背景に配当利回りが高いことでも注目されやすい銘柄の一つです。その中での増配報道を好感した投資家も少なくないと考えられます。
2023年2月に発表された第3四半期決算も、前四半期からの好調さを引き継ぐ内容で、株価は一段高となったと思われます。
特に経常利益では3四半期累計で1兆59億円と、すでに前年の通期累計(1兆31億円)をカバーする水準に達しているなど、日本郵船の堅調な業績が印象づけられた形です。