2. 金融セクターの不安の波及と配当落ち後への警戒感

さて、このように2022年11月ごろから堅調に推移していた日本郵船ですが、3月初から急に風向きが変わり、下落傾向に転じます。3月初めといえば、金融セクターではシリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収報道などが原因で株価が下落したタイミングです。

特に大手行の一角であるクレディ・スイスの不振は、グローバルな金融不安や景気後退に発展する可能性もある出来事であったことから、一時は幅広い業種の株価が急落しました。

グローバルな物流の運賃に業績が左右される海運は景気敏感株の一角と見られる場合があります。そのため、同報道を背景とした景気後退リスクの高まりが、株価に影響を与えたと考えられます。

また、配当落ちに対する警戒感が下落幅を拡大する要因となった可能性も考えられます。日本郵船は3月が配当落ちとなる銘柄の一つですが、配当利回りが高い分、配当の有無が投資意欲に大きく影響を与える可能性があるとの警戒感が3月後半以降の買い需要を鈍らせ、下落を助長したと思われるでしょう。