2. 静岡浅間神社
お昼ごはんを食べた後は、徳川家康が14歳の時に元服式を行ったことで知られる「静岡浅間神社」へ。
静岡浅間神社とは、神部神社(かんべじんじゃ)・浅間神社(あさまじんじゃ)の二社同殿、および大歳御祖神社(おおとしみおやじんじゃ)の総称で、静岡という地名の由来と言われる賎機山(しずはたやま)の麓に鎮座しています。
1581年(天正9年)、家康は武田攻略の前にこちらで戦勝を祈願。攻略後に必ず再建することを誓って社殿を焼き払い、武田の賤機山城を攻め滅ぼしました。新たな社殿を再建した後も、歴代の将軍によって厚く庇護されています。
現在、「平成・令和の大改修」を実施しており、重要文化財「神部神社・浅間神社の楼門」の漆・彩色の塗り替え工事が2年ほど前に竣工。漆の使用量は約1トン、工事費は約4億円ほどで、40年ぶりに美しい姿を取り戻しています。
神社の境内には、塗り替え工事で使用される漆の木も。成長すると約10メートルほどの高さになるのだとか。
こちらの社殿は、26棟全てが国の重要文化財に指定。総漆塗り、極彩色の豪壮華麗な建築が特徴ですが、その中でも大拝殿は21メートルで、
今回は特別に昇殿参拝をさせていただけることに。大拝殿の中は天井がとても高く、広々とした空間になっており、前方の左右の扉から神部神社・浅間神社が見えるように設計されています。
天井画は幕府直属の絵師・狩野栄信、寛信が手がけたもの。北側、南側には彩色の天人と迦陵頻伽(かりょうびんが)が4枚ずつ、中央部分には墨絵の龍が2枚、全部で10枚描かれています。
大拝殿から神部神社・浅間神社の御本殿を見ることは、滅多にできない貴重な体験とのこと。神部神社・浅間神社の赤い漆と、賤機山の豊かな緑の鮮やかなコントラストに目を奪われます。
八千戈(やちほこ)神社の右側階段から御本殿にやってきました。神部神社の主祭神は大国主命(おおくにぬしのみこと)、浅間神社の主祭神は木之花咲耶姫命(このはなのさくやひめ)です。
中央に相の間を配し、向かって右側が神部神社、左側が浅間神社です。柱の老朽化はやや見られるものの、御本殿のきらびやかな彫刻と絵画の数々には圧倒されてしまいます。
神部神社の御扉の上にあるのが「波に兎」の彫刻。神部神社の御祭神は大国主命であり、日本神話の中で「因幡の白兎」を助けたことでも有名です。因幡の白兎といえば…、大河ドラマのあのシーンを思い出しますね。
静岡浅間神社の境内では、浅間神社の御本殿前からのみ富士山を望むことができます。いつもは写真の位置から見えるそうですが、この日は残念ながら見ることができませんでした。
しかしながら、静岡浅間神社のInstagramには富士山の写真をはじめ、様々な風景や行事の様子などが投稿されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。