4. 静岡市歴史博物館
2023年1月、大河ドラマ館と同じ時期にグランドオープンしたのが「静岡市歴史博物館」。
JR静岡駅から徒歩15分のところに位置しており、駿府城公園のすぐ目の前に建てられました。周囲には静岡県庁や静岡市役所があるなど、まさに静岡の中心地とも言える場所です。
静岡発展のキーマン・徳川家康の歴史上の足跡だけでなく、身につけた武具から日々の行動まで、様々な視点で家康を見つめ、駿府から世界を視野に活動したその人物像に迫ることがコンセプトになっています。
1階入り口付近のギャラリーには、静岡の絵地図や資料が展示されていますが、奥に進むと地面が一部露出した吹き抜けの空間が現れます。こちらは博物館のシンボルとなる「戦国時代末期の道と石垣の遺構」という展示です。
博物館を建てる際、家康が駿府城主だった頃に造られたと思われる道が33メートルに渡って発見されました。駿府城下の遺構をそのまま館内に取り入れて公開するという、全国の博物館でも珍しい取り組みを行っています。
スロープを上がったところから見ると全体像がよく分かります。駿府城の正面のすぐ外側にあたる場所で、重巨クラスの武家屋敷があったかもしれないとのこと。もしかしたら家康もこの道を歩いていたのかもしれません。
2階の展示では、家康の一生をはじめ、家康を育てた駿府と今川家、大御所時代の外交などを紹介しています。赤い鎧は、家康が14歳の元服の時に今川義元から贈られたと言われる「紅糸威腹巻(べにいとおどしはらまき)」。
黒い鎧は、家康が59歳の時に関ケ原の戦いで身につけた「伊予札黒糸威胴丸具足(いよざねくろいとおどしどうまるぐそく)」。2つの鎧は当時と同じ手法で復元されており、目立たない部分にも美しい装飾が施されています。
また、駿府の基礎を築き、家康を育てた戦国大名・今川義元の木像も展示されていました。
大御所外交メディアテーブルでは、家康が外交に関わった人物や外国からの贈り物などを、映像と音声で紹介。手をかざすとキャラクターが話し出すため、子どもも楽しく学ぶことができそうです。
2階から3階へ上がると展望回廊へ。駿府城公園の東御門・巽櫓(たつみやぐら)をはじめとした静岡市の風景を見渡すことができます。スタッフさんによると、よく晴れた日には遠くに富士山を望むこともできるとか。
3階では、家康以降の東海道の賑わい、駿府から現在の静岡に至る発展の歩みなどを紹介しています。
一部のエリアでは、2023年5月7日まで企画展「駿府の華 静岡浅間神社」を開催中。こちらでは静岡浅間神社と徳川家のつながり、江戸時代における静岡浅間神社の祭礼と造営などについて取り上げています。
写真の「甲子福祭之踟物(きのえねふくまつりのねりもの)」は、お祭りに参加する人々の色鮮やかな衣装や扮装などがミニチュアで再現されており、当時の賑わいが伝わってくるかのようでした。
5. まぐろ専門店 焼津港みなみ
この日の夕食は、JR静岡駅から徒歩10分のところにある「まぐろ専門店 焼津港みなみ」にて。
熟練のまぐろの目利きが、静岡の港で水揚げされた南まぐろと本まぐろを厳選。昼の部はまぐろ丼、夜の部はまぐろを中心としたバラエティ豊かなメニューを提供しています。
おつまみは3種類あるのですが、一番右の「希少部位!まぐろ喉仏のツンツン漬け」は、まぐろの喉仏の不思議な食感と生わさびの醤油漬けが効いていてなんともクセになる味わいでした。
「特選 まぐろ三昧盛り合わせ」は、店主選りすぐりの新鮮な南まぐろや本まぐろをいただけます!南まぐろは赤みと甘みが強いのに対し、本まぐろは脂の乗りと味の深みが際立ち、その違いをしっかり感じることができました。
夜の部ではミニサイズのまぐろ丼も!おつまみやお造りの後に提供されるのでちょうど良いサイズ感です。3種類のまぐろの味わいはもちろんのこと、生しらすもプリプリした食感がたまらなくおいしかったです。
初日は静岡浅間神社、大河ドラマ館、静岡市歴史博物館と、家康ゆかりの新旧スポットをめぐり、さらに静岡の老舗店のすき焼きや、新鮮なまぐろなど、ご当地グルメを存分に味わうこともできて、とても充実した1日となりました!
明日は、日本平夢テラスや久能山東照宮などをご紹介します(後編に続く)。
参考資料
- 三笑亭本店
- 駿河國惣社 静岡浅間神社
- 静岡市大河ドラマ館 家康公が愛したまち静岡
- 静岡市歴史博物館
- まぐろ専門店 焼津港みなみ
- JR東海「どこいく家康プラン【静岡】大河ドラマ館&駿府城公園 (オリジナル葵豆皿、家康御城印付)」
成瀬 亜希子