2019年に「老後資金2000万円問題」が話題となり、老後の生活資金準備は誰もが気になる問題です。

帝国データバンクによると、 4月は5100品目、5月以降も4000品目近くが値上げの対象となっています。

こうした物価高では目先のやりくりが大変になりますが、加えて50歳代で定年退職が迫ってくると、老後への不安も高まることでしょう。

50歳代といえば、会社内では重要なポストに身を置き、家庭では子どもが大学進学などに差し掛かる、いずれも身にかかる責任の大きい時期といえます。

また、定年後の老後生活も現実味を帯びてくる時期であるため、お金に関しても気になってくる年代です。

この記事では、定年を間近に控える50歳代の平均年収や貯蓄額の実態について解説します。

50歳代の平均年収は?

まずは収入を見ていきましょう。50歳代では、平均年収はどのくらいあるのでしょうか。

50歳代の平均年収は約525万円

国税庁の「民間給与実態統計調査(令和3年度)」を参考に、2021年度における年齢階層別の平均給与(年収)を表にまとめました。

出所:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」を参考に筆者作成

上記のデータによると、50~54歳の平均年収は520万円、55~59歳の平均年収は529万円です。50歳代の平均年収は約525万円台であるといえます。

全年齢階層で見ても50歳代が最も高く、勤続年数による功績や、社内において責任あるポストに就いていることが分かります。

また上記のデータからは、将来の老後生活を視野に入れた場合に、60歳以降の年収は大幅に下がることが見てとれます。

定年後の再雇用や再就職など形態はさまざまですが、年収は大幅に下がることを視野に入れ、50歳代でしっかりと貯蓄を備えておくことが重要です。