2. 社会保険に加入するとどうなる?社会保険料や税金を試算

ここからは、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することで、いくら保険料を払うのか、将来いくら年金が増えるのか、具体的な数字を出してイメージしてみたいと思います。

<パート収入月10万円(年収120万円)、10年間社会保険に加入した場合>
条件:40歳~50歳の10年間、勤務地東京都、協会けんぽに加入、令和5年度の保険料率、年金額をもとに計算

2.1 保険料の負担

社会保険に10年間加入した場合の保険料の負担を扶養のままでいた場合と比較します。

  • 健康保険料+介護保険料・・・5792円(年額6万9504円)
  • 厚生年金保険料・・・8967円(年額10万7604円)

計17万7108円(年額)

17万7108円×10年間=177万1080円

扶養のままでいた場合と比べて、10年間で177万1080円の保険料負担があります。

2.2 税金の負担

社会保険に10年間加入した場合の税金の負担を扶養のままでいた場合と比較します。

扶養のままの場合

【所得税の計算】

年収120万円-55万円(給与所得控除)-7200円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=16万2000円(課税所得)※1000円未満切捨て
16万2000円×5%(税率)=8100円

※社会保険料控除は雇用保険料の7200円のみ

【税金の計算】

所得税・・・8100円
住民税・・・2万3600円
10年間の税金負担 31万7000円

※「中央区|住民税額シミュレーション」を使用して試算

社会保険に加入した場合

【所得税の計算】

年収120万円-55万円(給与所得控除)-18万4308円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=-14308円(マイナスなので所得税は0円)

※社会保険料控除は健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険を合計したもの

【税金の計算】

所得税・・・0円
住民税・・・6700円
10年間の税金負担 6万7000円

※「中央区|住民税額シミュレーション」を使用して試算

扶養のままでいた場合と比べて、10 年間で25万円税金の負担が軽くなります。

2.3 保険料と税金を合わせて比較

1年間の保険料と税金(年収120万円)

出所:筆者作成

※雇用保険は同額であるため除いています。

以上のことから、扶養のままでいる場合と、社会保険に加入した場合とでは、社会保険に加入した場合の方が10年間で152万1080円負担が増えます。