「ウチの貯蓄や負債って他のお家と比べてどうなの?」と思うことはありませんか?
新年度に向け、貯蓄計画を立てようとする家庭も多いでしょう。4月から値上げを公表している商品や施設が多い中、日々のやりくりは難しいものがあります。
特に同じ年収ラインの方の貯蓄事情が気になりますよね。
貯蓄や負債などのお金事情はそれぞれですが、収入などでも大きく変わってくるものです。
国税庁が公表する「2021(令和3)年度の民間給与実態統計調査に」よると、1年を通じて勤務した給与所得者 5270万人についての給与階級別分布は、300~400 万円以下の者が 914 万人(17.4%)です。
次いで 400~500万円以下が 788 万人(15.0%)でした。
そのうち男性は、年間給与額 400~500 万円以下が537万人(17.5%)、女性は、100~200万円以下の497 万人(22.5%)が最も多くを占めています。
もしこの水準での夫婦世帯なら、世帯年収500~700万円が目安となるのではないでしょうか。
今回は、そのうちの真ん中に属する約年収600万円台世帯の貯蓄額、負債額の平均を確認しながら、家計をやりくりするときのポイントについてお話します。
年収600万円台世帯のお金事情「貯蓄編」
総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)2021年(令和3年)(二人以上の世帯)」による、「年収600万円台」の勤労世帯における貯蓄額とその内訳を確認してみましょう。
年収600万~650万円世帯【貯蓄額】
- 平均年収:621万円
- 平均貯蓄額:1119万円
《貯蓄額の内訳》
- 通貨性預貯金:421万円
- 定期性預貯金:299万円
- 生命保険など:245万円
- 有価証券:124万円
- 金融機関外:30万円
平均年収が621万円の平均貯蓄額は、平均年収の約1.8倍となる1119万円。そのうち720万円(約64%)が流動性の高い預貯金です。
年収650~700万円世帯【貯蓄額】
- 平均年収:672万円
- 平均貯蓄額:1128万円
《貯蓄額の内訳》
- 通貨性預貯金:455万円
- 定期性預貯金:310万円
- 生命保険など:224万円
- 有価証券:112万円
- 金融機関外:28万円
平均年収が672万円の平均貯蓄額は、平均年収の約1.7倍となる1128万円。貯蓄額の割合は、先述の年収600万円台前半の結果とほぼ同じです。貯蓄額の内訳をみると、流動性の高い預貯金が、765万円(約68%)と、約4ポイント多くなりました。
年収600万円台世帯のお金事情「負債編」
次は、「年収600万円台」の勤労世帯における負債額とその内訳を確認してみましょう。
年収600万~650万円世帯【負債額】
- 平均年収:621万円
- 平均負債額:840万円
- 住宅・土地のための負債:768万円
- 住宅・土地以外の負債:41万円
- 月賦・年賦:31万円
平均年収が621万円の平均負債額は、平均年収の約1.4倍となる840万円。そのうち768万円(約91%)が、住宅ローン(住宅・土地のための負債)となっています。
年収650万~700万円世帯【負債額】
- 平均年収:672万円
- 平均負債額:810万円
- 住宅・土地のための負債:758万円
- 住宅・土地以外の負債:34万円
- 月賦・年賦:18万円
平均年収が672万円の平均負債額は、平均年収の約1.2倍となる810万円。
こちらも、600万円前半の結果と同じく、住宅ローン(住宅・土地のための負債)が758万円(約94%)を占めています。
年収600万円台世帯では、マイホームを得るための負債が大部分を占めています。
年収600万円台世帯が家計をやりくりするときに注意すべきポイント
先述の負債の内訳からも、住宅資金にかかるお金が大部分を占めていることがわかりました。
人生の三大資金が、住宅資金・教育資金・老後資金と言われていることからも、納得できる結果といえます。
しかし、残りの教育資金や老後資金も準備が必要になります。その点でのポイントをそれぞれまとめます。
年収600万円台世帯の家計ポイント1:教育費は子どもが小さいときから計画的に貯めよう
子どもの教育資金を考える場合、子どもの進学によりかかるお金は全く違います。進学費以外にも、塾や習い事などにかかるお金も必要となるでしょう。
ざっくりとした教育費になりますが、幼稚園から大学まですべて公立の場合であれば、諸々なものを含む子ども1人あたりの教育費は約1000万円です。
一方、私立の場合は、子ども1人につき約2000~2500万円が必要になります。
そんな中、2020年4月から「高等学校等就学支援金」により、国が高校などの授業料を支援し、保護者の経済的負担を軽くする制度が始まりました。
対象になる学校は国立・公立・私立など関係なく、日本国内に住所を所有する高等学校や高等専門学校です。
高等学校等就学支援金を受けるには、世帯年収と子ども年齢や人数がカギになります。
年収600万円台世帯で、私立に通った場合の満額年間39万6000円に該当するかは、状況次第といえます。
600万円台の世帯年収の子どもが将来、私立に通うことを予定する場合、諸々の事情を考えても、子どもが小さいうちから計画的にお金を貯めることが大事です。
年収600万円台世帯の家計ポイント2:老後資金準備のため「節税」を意識しよう
年収600万円台世帯が、住宅ローンを払いながら教育費もしっかり準備するためには、「節税」の意識が重要になります。
税金を安くすることで、手元に残るお金が増えるでしょう。
節税をするために活用したいのが所得控除。会社員でも利用できる主な所得控除を紹介します。
1. 小規模企業共済等掛金控除
iDeCoに加入すると、その掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になり、所得税、住民税を安くできます。
2. 生命保険料控除
民間の生命保険に加入していれば「生命保険料控除」の対象になります。
2012年以降で契約した保険は、一般の生命保険料4万円、個人年金保険料4万円、介護医療保険料4万円、合わせると12万円の控除が受けられます。
3. 医療費控除
1年間に医療費が10万円を超えた場合、10万円を超えた分の金額が医療費控除の対象になります。
医療費の対象には、病院で受けた治療費、薬代、通院にかかった交通費なども含めることができます。
家族の範囲は、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族までと幅広く対象になります。
この場合、夫をメインに考えると、夫にかかった医療費以外に「生計を一」にする家族(妻や子ども、親など)にかかった治療費なども含められます。
4. セルフメディケーション税制
1年間に対象となる市販薬を購入し、1年間に支払った金額が1万2000円(8万8000円が限度)を超えた分の金額が、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象になります。
ただし、医療費控除とセルフメディケーション税制は、併用とはならずどちらか一方のみが対象です。
年収600万円世帯が考える家計と貯蓄まとめ
年収600万円台の世帯で家計をやりくりする際は、教育資金や住宅資金の準備をできるだけ早めに始めることがポイントです。
手取りを増やすための節税は、iDeCoや生命保険控除(個人年金保険料)をフル活用するとよいでしょう。
メリハリのあるお金の使い方を工夫すれば、老後資金の準備も手遅れになることはないでしょう。



