商船三井(9104)の2023年初来の株価は総じて堅調です。

2022年最終営業日となる2022年12月30日の終値は3290円で、2023年3月14日の終値は3540円なので、約7.6%上昇しています。

下記のグラフの通り、総じて右肩上がりにあったといえるでしょう。

商船三井の2023年初来の株価の推移(2022年12月30日~2023年3月14日)1/4

商船三井の2023年初来の株価の推移(2022年12月30日~2023年3月14日)

出所:各種資料をもとに筆者作成

2023年1月31日に公表された2022年度第3四半期決算での、増配方針や好決算が買い材料になったと考えられます。

その時の慎重な業績見通しは懸念材料と考えられましたが、足元一部の市況が回復傾向にあることが好感され、決算発表後も商船三井の株価は上昇傾向と思われます。

今回は2023年のこれまでの商船三井の株価について見ていきます。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

【注目記事】商船三井の株「1年前に買った人」トータル・リターンはいくら?【株主優待・配当金・株価】(2023年3月第2週)

【2023年の商船三井の株価】増配方針と堅調な業績

2023年1月31日に発表された2022年度第3四半期決算と、あわせて発表された増配方針は商船三井の株の押し上げ要因となったと思われます。

第三四半期までの堅調な決算を受けて、年間配当560円とする見通しを発表しました(うち300円は中間配当ですでに実施済)。

商船三井は配当利回りが3月14日の終値(3540円)をもとに計算すると15.8%に上るなど、好業績時には高配当株として着目されやすい株式です。そのため、このような増配発表は株価にとってプラス材料になったと言えます。

また、第三四半期までの堅調な業績も材料になったと思われます。持分適用会社であるONE社も含めた経常利益で見ると、第三四半期における前年同期比で2515億円の増益となる、7392億円となっております。

持分適用会社のONE社とともに行っているコンテナ船事業は、世界経済の減速を背景に市況としては決して追い風ではない中で、上半期における利益の積み上げもあり利益を維持できたことが好感されたと考えられるでしょう。

【2023年の商船三井の株価】市況の底打ち感を背景に、懸念材料は本格的な下落材料にならず

2022年度第三四半期決算発表では業績見通しの部分に懸念が残る内容でした。

第三四半期までの利益のけん引役となっていたONE社のコンテナ事業ですが、第4四半期の3カ月については前年同期比▲82%と大幅な減益見通しに。これが重しにもなり、ONE社の通期決算も12%の減益見通しとなっていました。

商船三井株式会社「2022 年度(2023 年 3 月期) 第3四半期決算説明会(オンライン形式) 主な質疑応答 」では、2023年度にはコンテナ船事業が赤字になるリスクに対する質問も出るなど、投資家の懸念も高まっていたものと考えられます。

こうした要因が一時は株価に下落圧力をもたらすかに見えましたが、結局は2月以降も株価は堅調な推移となりました。ここでは、次の二つの市況動向が商船三井の株価に影響を与えたと考えられます。

一つは為替の動向で、商船三井自身も有価証券報告書にて業績変動のリスクとして記載しているように、同社のビジネスの多くは海外との海運取引で、収入は米ドル建てとなるケースが多いです。そのため円安は増益、円高は減益要因となる場合があります。

米ドル円の為替相場の推移(縦軸:円)(2022年6月1日~2023年2月28日)2/4

米ドル円の為替相場の推移(縦軸:円)(2022年6月1日~2023年2月28日)

出所:各種資料をもとに筆者作成

2022年は総じて円安でしたが、2022年の秋以降から円高が進行していたため、為替が商船三井の減益圧力をもたらすリスク要因となっていました。しかし、2023年1月半ばごろから円高に歯止めがかかり、再び円安トレンドを示している点が、株価のサポート材料になったと考えられます。

もう一点は、主力事業の一つであるコンテナ船運賃が挙げられます。コンテナ船運賃について、英バルチック海運取引所が発表する、外航不定期船の運賃指数である「バルチック海運指数」を2021年1月~2023年3月22日まで確認してみましょう。

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

2022年の半ばから徐々にコンテナ船運賃が下落傾向にあったことがわかり、これは海運事業において業績の悪化要因となる可能性があります。しかし、直近を見ると下げ止まりの兆しが見られることがわかります。

コンテナ船運賃の底打ちが商船三井の業績下支えになるとの期待も、株価の上昇要因となったと考えられます。

【2023年の商船三井の株価】為替やドライバルク市況、コンテナ船の業績変化に着目

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Avigator Fortuner/shutterstock.com

Avigator Fortuner/shutterstock.com

今後の商船三井の株価を考えるうえでは、足元商船三井にとっての懸念材料が緩和しつつある為替動向や、ドライバルク市況の動向などを見ていく必要があるでしょう。

また、商船三井および関係会社のONE社が弱気な見通しを示しているコンテナ船の業績動向も、為替の変動要因となる可能性があるでしょう。

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参考プレスリリース

  • 楽天証券「楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設が業界最多に!」2022年3月30日

制作:株式会社モニクルリサーチ

参考資料 

宮野 茉莉子