これまで幾度もの最高値を更新し、着実に資産を増やしてきた「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。しかし2026年7月は、久々に「含み益が減った」「評価額がマイナスになった」と画面を見て驚いた方も多いのではないでしょうか。

基準価額が下がった背景にあるのは、米国株の値動きに加え、月末に実施された日米協調と見られる介入に伴う急激なドル安・円高です。一時1ドル=156円台まで押し戻された後も、足元では160円を割り込む水準での推移が続いており、SNSではS&P500ホルダーを中心に動揺が広がっています。

100%米国資産で構成されるファンドだからこそ、こうした為替の波とどう向き合うべきか。今回は7月の月次レポートを紐解きながら、下落の要因を整理し、長期投資家が今持っておくべき視点を検証します。

この記事の3つのポイント

  •  7月のS&P500の基準価額は▲449円、主因は為替のマイナス(株式要因はプラス)
  •  米国企業の稼ぐ力そのものは健全、下落は為替要因が主導
  •  米国への集中度が高いため、これから始める人は地域分散も一案

S&P500とは?投資対象を確認

S&P500は、米国株式市場の代表的な株価指数「S&P500指数」(配当込み・円換算)に連動し、米国主要企業約500社に投資するインデックスファンドです。資産構成は実質外国株式が100.0%(内、現物99.0%・先物1.0%)で、米国市場の値動きがそのまま基準価額に反映される構造になっています。

S&P500 組入上位10銘柄(2026年7月末)1/3

S&P500 組入上位10銘柄

出所:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」月次レポート(2026年7月)をもとにLIMO編集部作成

APPLE(7.6%)、NVIDIA(7.3%)と上位2銘柄だけで15%近くを占め、集中度が際立ちます。新たに10位にJPMORGAN CHASE & COが入るなど、上位の顔ぶれは月ごとに変動します。

S&P500のトータルリターンを確認(2026年7月末時点)

2026年7月31日時点の月次レポートをもとに、各期間のトータルリターンを確認します。

S&P500 トータルリターン比較(2026年7月末時点)2/3

S&P500 トータルリターン比較

出所:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」月次レポート(2026年7月)をもとにLIMO編集部作成

  • 過去1カ月:▲1.0%
  • 過去3カ月:+4.7%
  • 過去6カ月:+12.2%
  • 過去1年:+27.0%
  • 過去3年:+91.2%
  • 設定来:+339.5%

直近1カ月はマイナスとなったものの、過去1年で+27.0%、設定来では+339.5%と、短期的な下落を含めても中長期では大きく資産が増えている実績が確認できます。なお、月次レポートには指数そのもの(ベンチマーク)の値も掲載されており、設定来ではファンドの実績+339.5%に対し、ベンチマークは+333.9%となっています。低コストで指数に忠実に追随することを目指す設計でありながら、ファンドの実績がベンチマークをわずかに上回っている点も興味深いところです。

年平均利回りに換算すると、設定来(約8年1カ月)で約20.1%、過去3年では約24.1%となります(概算)。あくまで過去の実績をならした数字であり、「今後も同じペースで続く」とは限らない点には注意が必要です。