厚生労働省が2026年(令和8年)8月7日に公表した最新の「厚生年金保険・国民年金の令和7年度収支決算の概要」によると、年金積立金(将来の年金支払いに備えて運用しているお金)が過去最高の302兆5893億円に達したことが明らかになりました。また、同決算資料では、現在の厚生年金加入者の平均標準報酬月額(保険料の計算の基礎となるお給料の平均額)が33万5000円であることも示されています。
公的年金の財政状況がニュースで取り上げられるなか、「将来、自分が受け取る年金は実際にいくらになるのだろう?」と気になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、最新データに基づく平均受給額の目安と、年金の受け取り時期を選ぶ際の「3つのポイント」を、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から分かりやすく解説します。
この記事を読んでわかること
-
現在の厚生年金と国民年金の平均受給額の目安 -
繰上げ受給・繰下げ受給を利用している人の実際の割合と最新動向 -
病気や介護など、自分のライフスタイルに合った受け取り方を選ぶ3つのポイント
1. 国民年金と厚生年金、平均受給額はいくら?
まずは、厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、現在のシニア世代が受け取っている年金額を見てみましょう。令和6年度末時点の平均年金月額は、次のとおりです。
- 厚生年金保険(会社員や公務員などが加入)の老齢年金:15万1142円
- 国民年金(自営業やフリーランスなどが加入)の老齢年金:5万9431円
数字だけを比較すると、月額で9万1711円の差があります。しかし、ここで一つ注意点があります。厚生年金の「15万1142円」という金額には、土台となる国民年金(老齢基礎年金)の月額もすでに含まれています。
また、「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」に掲載されている国民年金の「5万9431円」という数字は、「ずっと自営業で国民年金だけを受け取っている人」の平均ではありません。過去に会社員として働いた期間があり、国民年金に厚生年金を上乗せして受け取っている人も計算に含まれています。
そのため、「自営業だから自分の年金は5万9431円くらいだ」と単純に考えるのは誤解のもとです。実際の年金額は、加入していた期間や現役時代のお給料によって一人ひとり全く異なります。平均額はあくまで「一つの目安」として捉え、正確な金額はご自身の「ねんきん定期便」で確認することが大切です。
