3. 女性の厚生年金が少ない理由
厚生年金の平均額に男女差が出るのは、厚生年金の決まり方に理由があります。
3.1 厚生年金の計算方法
A:2003年3月以前の被保険者期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの被保険者期間の月数
B:2003年4月以降の被保険者期間
平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の被保険者期間の月数
原則として、厚生年金の報酬比例部分は上記の合計で決まります。
年金世代の女性は、当時の賃金が少ない傾向にありました。また結婚や出産で退職することが一般的で、厚生年金への加入期間も短いです。
そのため、年金の受給額は男性よりも顕著に少なくなったと考えられます。
ただし、今の現役世代では結婚や出産を経ても正社員を続ける方も多く、男性と同じ水準を稼ぐ女性も少なくありません。
まだまだ平等という意識は根付いていないかもしれませんが、今後は男女差も徐々に埋まっていくのではないでしょうか。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部で、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年3月18日更新)