4. iDeCoで老後資金は作れるのか

iDeCoは老後に向けた運用として良い制度だといえます。

利用されている方が増えているNISAも資産形成に有効ですが、iDeCoでは所得控除があり節税もできますし、60歳以降でないと引き出しができないというのが、老後資金対策としては最大の魅力かと思います。

引き出しができないのはデメリットのように聞こえますが、その分しっかりと運用ができます。

預貯金など元本確保型の運用商品もありますが、投資信託などの運用商品は価格変動があります。変動があることで大きく増やせる可能性もあるのです。

価格変動があるものは、毎月定期的に買い付けることによって、平均的に購入することができます。

老後までの期間が比較的長い方(15年以上)は、将来のために価格変動が大きな運用商品で運用しても良いでしょう。

長く運用することで複利効果もありますし、予想以上に増えることもあります。

ただし、受け取り時期(60歳以降)が近くなると、積極的な運用から少しずつ安定運用に変えていくことが望ましいでしょう。

自分で運用するとなると大変な気もしますが、貯まってきた資産をスイッチングという方法で、移し替えることができます。

アプリやWEB上で手続きができる金融機関も多いので、利用しやすい金融機関を選びましょう。

iDeCoを利用する場合、勤務先の制度によって利用できる金額は違います。

例えば、今の勤務先に確定拠出年金などの制度がない場合、1人あたり月額2万3000円まで掛け金を拠出できます。

40歳の方が60歳までの20年間、毎月2万3000円を掛けた場合、掛け金の合計は元本部分は552万円ですが、20年間2%で運用した場合678万0327円、3%で運用した場合755万0946円、5%945万3774円となります(手数料は含まず)。

出所:金融庁「NISAを始める前に 資産運用シミュレーション」をもとに筆者作成