世界と比べた日本の高齢者の資産形成

貯蓄3000万円以上を保有する世帯は一定数ありますが、貯蓄ゼロ世帯があるなど、世帯間の経済格差が激しく、生活に窮する世帯もあることが分かりました。

老後生活の基盤となるのが、年金です。

先進各国と比べて、日本の高齢世帯は年金で十分に生活できるのでしょうか。

2019年4月12日に公表された金融庁「人生100年時代における資産形成」によると、日本の高齢者世帯の年金の所得代替率は欧米主要国を下回っています。

出所:金融庁「人生100年時代における資産形成」

所得代替率とは、年金受給者の年金受給額が、その人の退職前の収入に対する割合を表す指標です。

私的年金を活用した場合、公的年金のみの場合と比較して、所得代替率は先進各国と比べて、遜色ないレベルです。

公的年金のみでは現役時代の所得の3割台しかまかなえませんが、私的年金を利用すれば、約6割近くまかなうことができると分かります。

しかし、同報告書によると、日本の高齢者は資本所得(私的年金などの収入)の割合が低いことが明らかになっています。

出所:金融庁「人生100年時代における資産形成」

しかし、少子高齢化が進む日本では、公的年金に頼る生活は困難になる可能性があります。

各世帯が自助努力による資産形成を進める必要があるでしょう。