2. 在職老齢年金制度とは
在職老齢年金制度により、「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が基準額を超えると、年金が減額されたり、支払停止されたりします。
「基本月額」とは、60歳以上になったら支給となる「特別支給老齢厚生年金」を12か月で割った年金額のことです。
また、「総報酬月額相当額」とは、毎月の給与額と、直近1年間に受け取った賞与を合計し、12か月で割った金額をいいます。
会社から受け取る給料や賞与と、老齢厚生年金の合計が48万円を境に、老齢厚生年金がカットされるかどうか決まります。
2.1 総報酬月額相当額が48万円を超えた場合の計算
ここでは「基本月額+総報酬月額相当額」が48万円を超える場合の減額について確認してみましょう。
- 厚生年金の基本月額:10万円
- 総報酬月額相当額:50万円
- 合計額:60万円
支給停止額の計算式は、以下の式を使います。
- (基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2
- (10万円+50万円-48万円)÷2=6万円
毎月もらえる年金から6万円が減額され、実際に受け取る厚生年金は4万円になります。
厚生年金を減額されず10万円もらいたいと思えば、総報酬月額相当額を38万円以内におさめる必要があり、年収は約456万円になります。
給与などが途中で増えれば、総報酬月額相当額も変わるので、支給停止や減額される可能性があります。
また、60歳以降の収入によっては、雇用保険から、高年齢雇用継続給付が支給されることがあります。次は、制度について簡単に説明します。