老後生活を想定したマネープランの確認を
今回見てきたように、「ゆとりある老後」と考えると厚生年金のモデル夫婦では月約15万円足りません。仮に老後を25年間と仮定しても約4500万円の不足です。
「わが家はそこまでは使わない」と思っていても、最低日常生活費でも赤字になっていました。
「つつましい生活をすればいい」と考えていても、今回のような物価高があったり、月によっては旅行や身内付き合いを楽しんだり、耐久消費財の買い替えも避けられません。
年金の受給額によっては、さらに老後の赤字が増える可能性もあります。
まず第一歩としては、ねんきん定期便やねんきんネットでご自身の将来の受給予定額を知ることが重要でしょう。
一方で、今の60歳代でも2000万円貯蓄できていた方は約3割ですから、まとまった老後資金を用意するのは簡単ではありません。
早いうちからキャリアや貯金、資産運用など複数の選択肢を持ち、老後に備えることが大切でしょう。
参考資料
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2023年(令和5年)1月分」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」
宮野 茉莉子