50歳代・60歳代の金融資産保有額

平均値ではありませんが、同資料より50歳代と60歳代の貯蓄額の分布を抜粋し、以下の表にまとめました。

出所:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年度版」を元に筆者作成

50歳代で金融資産なしは28.4%、3000万円以上は10.5%。60歳代で金融資産なしは23.1%で3000万円以上は19.2%です。

定年退職を経て大きな金額を手にした世帯と、そうでない世帯の差は鮮明です。

このように、退職金がある世代でも貯蓄額に差が生じています。

今後セカンドライフを迎える世代では、すでに終身雇用制度が崩壊しているため、前の世代ほど多額な退職金は受け取れないでしょう。

将来は、全体的に貯蓄額が低くなるか、より貧富の差が大きくなると見られます。

リタイア後のセカンドライフは、今の50歳代・60歳代と今まさに働いている現役世代では分けて考えるほうがより現実的です。

もらえる年金額や生涯で獲得できる賃金、社会背景など大きな変容にも柔軟に対応していく必要があります。