3月になりました。
年度末に定年退職を迎える方が、周りにいるという方もいるのではないでしょうか。
老後のセカンドライフを計画する上で、現時点での貯蓄額を把握することはとても大切です。
セカンドライフを迎える時期にどの程度の資産を手元に残せるのかによって、その後のライフプランも変わってくるでしょう。
また、現役世代が今後迎えるであろう、新しいセカンドライフの形もある程度は考慮しておく必要があります。
本記事では、貯蓄額とセカンドライフの関係や新しい老後生活について考察しています。
内容を確認してみましょう。
50歳代・60歳代の貯蓄額平均値と中央値
定年退職後のセカンドライフを考える前に、まずは、これから定年退職を迎える50歳代と60歳代の平均貯蓄額を確認しておきましょう。
金融広報中央委員による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年度版」の調査結果を以下の表にまとめました。
1/3
出所:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年度版」を元に筆者作成
気になるポイントは、50歳代と60歳代における平均値と中央値の差です。
50歳代の平均値と中央値の差は949万円ですが、60歳代では1137万円に差が開きます。
188万円の差は、退職金の金額や有無の差と見てよいでしょう。
金額差をみるとさほど大きな金額には見えませんが、お金に困っていない世帯と、やや生活が厳しい世帯へ分かれている兆しを見て取ることができます。
50歳代・60歳代の金融資産保有額
平均値ではありませんが、同資料より50歳代と60歳代の貯蓄額の分布を抜粋し、以下の表にまとめました。
2/3
出所:金融広報中央委員「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和4年度版」を元に筆者作成
50歳代で金融資産なしは28.4%、3000万円以上は10.5%。60歳代で金融資産なしは23.1%で3000万円以上は19.2%です。
定年退職を経て大きな金額を手にした世帯と、そうでない世帯の差は鮮明です。
このように、退職金がある世代でも貯蓄額に差が生じています。
今後セカンドライフを迎える世代では、すでに終身雇用制度が崩壊しているため、前の世代ほど多額な退職金は受け取れないでしょう。
将来は、全体的に貯蓄額が低くなるか、より貧富の差が大きくなると見られます。
リタイア後のセカンドライフは、今の50歳代・60歳代と今まさに働いている現役世代では分けて考えるほうがより現実的です。
もらえる年金額や生涯で獲得できる賃金、社会背景など大きな変容にも柔軟に対応していく必要があります。
リタイア後の新しいセカンドライフを考察
かつての老後生活は、年金を軸に設計されていました。
しかし、現時点で受給年齢の引き上げや受給金額の調整が行われており、今後は年金を軸にした生活設計はできなくなるでしょう。
昔に比べて、よくなった点は健康寿命が伸びたことです。以前の60歳代に比べると元気な人が増えたのは多くの人が感じるところではないでしょうか。
健康度は増しつつも、経済的に停滞するとなると、自然と働く期間を伸ばす選択肢が考えられます。
高齢世代と現役世代の労働の棲み分けも重要です。
世代間での仕事の取り合いにならないよう、制度設計が求められます。
健全なメンタルを維持しながら働き続けるための健康維持も重要な課題です。
従来の悠々自適なセカンドライフは過去のものとなり、今後は働く喜びを感じつつ老後生活を送るスタイルにシフトしていくのではないでしょうか。
働き続けるために必要なリスキリングとは
少し前に、岸田首相が育休中にリスキリングを、と発言してしまい反感を買ったことで、リスキリングというワードが取り上げられました。
企業内では成長分野への就労移行、個人では汎用性の高いITスキルを習得し、個人で仕事を請け負ったり、新しい仕事に活かしたりすることに使われる言葉です。
分かりやすく伝えるために、学び直しと呼ばれることもあります。
今後、長く働く上で現在持っているスキルをリセットして学び直すリスキリングは大切なこととして注目されています。
IT化が進む一方、古い技術として形骸化していくものは数多く、その速度もはやいです。
新しい技術やスキルを身につけて、新時代に対応していく必要があります。
リスキリングで伸ばしたいスキル
少子化による労働力不足と働き方改革の一環で、マニュアルがあれば出来るような雑務は外部へ発注する機会が増えています。
今後増々増えていくであろうIT系のワークシェアリングに対応するために、マイクロソフトのExcelやWord、パワーポイントなどを使いこなせるようになっておくと心強いです。
今更感を感じる方も多いと思いますが、Excelやパワーポイントをうまく使えない人は案外多く、若い世代はパソコン離れが顕著なため、縦横無尽にオフィスソフトを使いこなせる人は少なくなる可能性があります。
ある程度の需要が確保できるかもしれません。
仮にオフィスソフトが陳腐化する時が来ても、身につけたスキルは次世代のソフトウェアへ転用できるでしょう。
自分の得意分野や趣味を実益化できないか、考えてみるのもひとつの選択肢です。
新時代のセカンドライフは労働による社会貢献がポイント
3/3
Khongtham/shutterstock.com
現在の50歳代・60歳代の平均貯蓄金額からリタイア後のセカンドライフについて考察しました。
現在の老後ライフスタイルと、現役世代が向かえる老後のライフスタイルは大幅に変化すると考えられます。
変化の要因は年金制度と健康寿命の伸長、少子高齢化などが挙げられます。
また、進むIT化によってシルバー雇用の在り方も今とは違うものとなるでしょう。
今よりも長い期間働く可能性が高まることを考えると、健康なメンタルと体は必要です。また、需要のあるスキルの学び直しも迫られるでしょう。
マネープランと新しい時代への備えはバランス良く行いたいところです。
参考資料
LIMO編集部
