筆者は20代の頃、フィリピンのとある小さな島でボランティア活動をしていました。その時に現地の人から「フィリピンの平均寿命は60代後半くらい」と聞いたことがあります。
おそらく肌感覚で教えてくれたのでしょうが「日本と比較すると、すごく短いなと」感じました。では、一般的には「男性よりも長生きする」といわれる日本の女性の平均寿命はどのくらいでしょうか。
厚生労働省の「令和3年簡易生命表」によると、女性の平均寿命は87.57歳。一方で、女性の健康寿命は令和元年の統計で75.38歳となっています。
健康寿命とは、一言でいうと「人の助けがいらない状態」と言えるでしょう。つまり、平均寿命と健康寿命の差が大きいほど、家族や介護サービスによる支援が必要となる「要介護状態」が長くなることを意味します。
長生きできれば嬉しいですが、その分お金もかかります。さらに身体の自由がきかない状態となれば、家族の協力が必要となるでしょう。
また、近年増えている「おひとりさま」であれば、「他人に頼む」ことを前提として、医療費や介護費用を見据え、お金をしっかりと蓄えておきたいですね。
とはいえ、老後収入の軸となる公的年金額はどの程度なのか、いま分かる範囲で把握しておくことは重要です。今回は、いまどきシニア女性がどのくらい公的年金を受け取っているのかを、厚生労働省の最新資料をもとに確認をしていきます。