後期高齢者医療制度は原則として75歳以上全員が加入する公的医療保険で、医療費の自己負担は原則1割です。

しかし、保険料は毎年上昇しており、2025年度は前年から1.6%増加しました。年金収入195万円の場合の月額保険料は都道府県により異なり、最高の福岡県6641円と最低の岩手県4808円では約1800円の差があります。

さらに2026年4月からは少子化対策財源として子ども・子育て支援金の徴収も始まり、後期高齢者は月200円程度の追加負担が見込まれます。

1. そもそも後期高齢者医療制度とは

75歳以上の方は、原則として「後期高齢者医療制度」という公的医療保険制度に加入します。

ただし、65歳以上で以下に該当する一定の障害があると認定された方も、希望すれば後期高齢者医療制度に加入できます。

  • 障害年金1級または2級
  • 身体障害者手帳1級、2級、3級または「4級の一部」
  • 精神障害者保健福祉手帳1級または2級
  • 東京都愛の手帳(療育手帳)1度または2度

1.1 2割負担者の「配慮措置」は2025年9月30日まで

一般的な公的医療保険では、医療機関を受診したときの自己負担割合が3割です。しかし、後期高齢者医療保険の自己負担割合は原則として1割です。

高齢になると収入が減る一方で医療費負担が発生しやすいことを鑑みて、自己負担を抑えた制度設計になっています。

ただし、現役並み所得者は3割、一般所得者等のうち一定以上の所得がある人は2割となっています。

なお、2割負担となった方への「配慮措置」がありましたが、これは2025年9月30日に終了予定となっています。

自己負担割合は、所得だけでなく世帯人数によっても異なります。気になる場合は、お住まいの市区町村の窓口または後期高齢者医療広域連合で相談してみましょう。