現行NISAから新NISAへロールオーバーは可能?注意点は?
結論を先に述べると、現行NISAから新NISAへのロールオーバーはできません。
理由は、現行NISAが新NISAに移行されるわけではなく、現行NISAと新NISAは別枠になるからです。そのため、現行NISAを利用していても、新NISAはゼロから始めることができます。
つまり、2023年に一般NISAで120万円を買付けて、非課税での運用を5年続けながら(つみたてNISAであれば、40万円を買付けて非課税での運用を20年続けながら)、2024年からは新NISAでの投資をゼロからスタートして並行して行うことができます。
一般NISAの非課税期間が終わったら
現行NISAから新NISAへのロールオーバーはできないため、2019年以降に一般NISAで購入した商品は、そのまま何もしなければ課税口座に移されます。
このとき、保有資産が値下がりしていた場合は注意が必要です。NISA口座から課税口座に払い出されるときの時価が取得価格に変更されるため、税負担が増える可能性があります。
たとえば、NISA口座で120万円の商品を購入し、5年後100万円に値下がりしたとします。
課税口座に払出されて、その100万円が取得価格になります。その後値上がりして120万円になったときに売却すると、20万円の利益に課税されてしまいます。
実際は120万円のものを120万円で売却したので、利益ゼロで税金はかからないはずです。
売却時も注意が必要
このようなケースを避けるには、非課税期間が終わる前に売却する必要があります。
ただし、この場合も利益が出ていれば非課税の恩恵を受けられますが、損失が出た場合は、「損益通算」ができないなどのデメリットがあります。
NISAの非課税制度は、利益も損失もなかったことにされます。
そのため、課税口座であれば他の利益から損失を差し引いて、税金を減らすことができる「損益通算」や、損失を3年間繰り越してその間の利益と相殺できる「繰越控除」ができますが、NISAではどちらもできません。
非課税期間中に売却する場合は、利益が出ているところを狙って売却をするようにしましょう。売却した資金を新NISAの資金にすれば新たな資産形成ができるでしょう。