「ゾンビ企業」にも存在意義がある

一方、いわゆる「ゾンビ企業」にも、不況期には雇用を守るという大きな存在意義があります。

ただでさえコロナ禍で世の中が不況に陥っている時に、ゾンビ企業が倒産したら失業者が激増し、景気が底割れしていたかも知れません。

それを防いでくれたのがゼロゼロ融資であり、雇用調整助成金なのです。

景気が悪化して物が売れなくなると、企業は生産を絞ります。そこで、必要な労働者数が減り、「派遣社員の雇い止め」などが増え、一層消費を冷え込ませる、という悪循環に陥りかねないわけです。それを防止するのは非常に大切なことだと考えます。

ゾンビ企業を延命させなくても公共投資を十分に行えば、景気の底割れは防げるでしょう。

とはいえ、急いで無駄な高速道路などのインフラを大量に作るよりも、まだ使える設備機械を有効活用してゾンビ企業に生産を続けてもらう方がはるかに良いと筆者は考えます。