物価上昇に加え、高齢化も進む日本。気になるのが老後の生活です。
2023年1月20日には、厚生労働省より「2024年度(令和5年度)」の年金額が公表されました。
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出所:厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 国民年金:6万6250 円(前年比+1434円)
- 厚生年金※:22万4482 円(前年比+4889円)
※ 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
ただし、実際に振り込まれる金額を初めて「年金振込通知書」で見ると、その少なさにびっくりする人がいます。
年金の仕組みや額面、振込通知書の記載内容を見ていきましょう。
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1. 厚生年金と国民年金の仕組みとは
日本の年金制度は「2階建て構造」で、図のように1階部分は「国民年金」、2階部分は「厚生年金」となっています。
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出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成
2階部分の厚生年金に加入できるのは、第2号被保険者である会社員や公務員のみ。「厚生年金」に加入していた人は、将来「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」が受給できるのです。
自営業や専業主婦などで、一度も厚生年金の加入期間がない場合、国民年金のみの受給となります。
上乗せできる構造のため、厚生年金は手厚いというイメージを持つ方も多いでしょう。
ねんきん定期便やねんきんネットなどで、見込額を確認したことがある方もいると思います。
しかし、実際に振り込まれる金額は少しずれてきます。老齢年金を受給できるときに受け取る「年金振込通知書」の記載内容を見ていきましょう。
2. 年金振込通知書とは
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出所:日本年金機構「通知書の見方を調べる」
年金振込通知書とは、日本年金機構から送付される通知書のことです。
年金額改定通知書と一体となったものもあり、実際の年金支払額や振込額、振込予定額などを知ることができます。
2.1 毎年6月に送付されるケース
毎年6月上旬に、1年分の「年金支払額」等が記載されたものが送付されます。これは、その年度の年金支払いが6月にスタートするためです。
2.2. 6月以外に送付されるケース
年金振込額や受取金融機関に変更があった方、また紛失して再送の手続きをした方には、6月以外にも送付されます。
原則として、振込月の上旬頃に届きます。
3. 年金振込通知書の記載内容
ここでは、年金振込通知書の詳しい記載内容を確認しましょう。
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出所:日本年金機構「年金振込通知書」
3.1 (1)年金支払額
1回に支払われる年金額(控除前)のことです。年金は2ヵ月分まとめて支払われるため、2ヵ月の合計額となります。
3.2 (2)介護保険料額
年金から天引きされる介護保険料額が記載されます。
3.3 (3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)※
年金から天引きされる後期高齢者医療保険料や国民健康保険料(税)が記載されます。天引き対象でない場合は記載がありません。
3.4 (4)所得税額および復興特別所得税額
年金から天引きされる所得税額および復興特別所得税額が記載されます。具体的には、社会保険料と各種控除額(扶養控除や障害者控除など)を差し引いた後の額に5.105%の税率を掛けた額となります。
3.5 (5)個人住民税額
年金から天引きされる個人住民税が記載されます。
3.6 (6)控除後振込額
年金から天引きされる上記の金額を差し引いた結果、実際に銀行等に振り込まれる金額が記載されます。
※8月以降の額は未定のため、予定額として6月の額が記載されています。決定額は変わることもあるため、市区町村から送付される通知書で確認することが必要です。
4. 年金振込通知書を二度見することも…天引きされるお金に注意
年金振込通知書の記載内容を見ていきました。
基本的に、厚生年金や国民年金の額面から「天引きされるお金」がずらりと並んでいます。
その水準は、個人の所得や家族構成、居住地によって変わるため一概にはいえません。
例えば、2021年度末の厚生年金(老齢基礎年金を含む)の平均額は月平均で14万3965円です。
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出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
八王子市に住む75歳の一人暮らし男性が、平均並みの「月額15万円」を受給するとしましょう。
この場合、所得税として4623円、住民税として1万6500円、介護保険料として7万9400円、保険料として約4万8800円が天引きされます。
年間合計で約15万円が、年金から天引きされるということです。
初めて年金を受給する方はもちろん、所得に変動があった方などは、その記載金額に驚くことも多いです。
高齢になると、終活の一環として土地を売って整理することもあります。ここで売却益が生まれると、年金額が変わらなくても天引きされるお金が一気にあがるのです。
こうした事実があることを知り、年金から天引きされるお金をしっかり意識しておきましょう。
5. 早めに老後資金計画を立てる
「年金振込通知書」に記載される内容を解説しましたが、一方で、そもそも年金の見込額を把握していないという方もいます。
厚生労働省から公表された金額は、あくまでも「国民年金の満額」と「夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額」であるため、実際には個人差があります。
まずはねんきん定期便やねんきんネットを活用し、見込額を確認してみましょう。
その上で、老後に足りない資金を自分で作ることになりますが、このお金は余裕をもって計画したいものです。
天引きされるお金も多いため、老後になってから足りないと気づくことがないよう、早いうちから対策をしましょう。
今は、銀行にお金を預けていてもなかなか増えない時代です。そのため、資産運用や保険などもうまく取り入れて、長期で資産を育てていきたいですね。
参考資料
太田 彩子
