共働きが主流と言われる現代ですが、お子さんが小さいご家庭では専業主婦をされていたり、パートで働いたりという方も多いものです。
厚生労働省「2021(令和3)年 国民生活基礎調査の概況」によると、末子の年齢階級別に見た母の仕事状況は以下の通り。
一番下の子が0~2歳の場合、専業主婦の割合が最も多くなっています。
中にはご家庭により事情があり、離婚を考えているという方もいるでしょう。
離婚をするまでには別居される方が多いですが、専業主婦で別居を考えて家を出る場合、生活費に不安を抱えるものです。
今回は別居中の「婚姻費用」について説明した後、「年収400万円の夫・専業主婦の妻」のご家庭について実際に金額をみていきます。
別居中でも受け取れる「婚姻費用」とは
離婚を考えて別居をする際、お子さんが小さかったりしてすぐには働けないという方もいます。
仕事をはじめる場合でも、「仕事探し」「保育園探し」「新居探し」を同時におこなうことになりますが、一つずつ行うのにもかなりの時間や労力がかかるもの。
特に小さな子を抱えていると仕事を探す際でも職種や業種が限られますし、仕事が決まらないと保育園に入るのも難しいという場合もあります。
そのような状況で一つ知っておきたいのが、婚姻期間中であれば、別居をしても「婚姻費用」を受け取れるということです。
夫婦は法律上、お互いに生活を助け合う「扶養義務」があります。そのため、別居中でも婚姻費用として生活費を分担する必要があるのです。
【婚姻費用】夫は年収400万円。専業主婦の妻が受け取れる金額は
婚姻費用は、裁判所の「婚姻費用算定表」により決められています。
2019年12月23日に公表された改定標準算定表(令和元年版)から、「夫は年収400万円・妻は専業主婦」の場合の具体例を見てみましょう。
「夫は年収400万円・妻は専業主婦・0~14歳の子ども1人」の婚姻費用
- 婚姻費用:夫から妻へ月8~10万円
上記の場合、月8~10万円となります。この金額のみで生活していくのは厳しいですが、別居を考える際には大切な金額となるでしょう。
ちなみに妻がパートで年収100万円の場合も確認しましょう。
「夫は年収400万円・妻はパートで年収100万円・0~14歳の子ども1人」の婚姻費用
- 婚姻費用:夫から妻へ月6~8万円
なお、婚姻費用は夫婦の働き方や収入、またお子さんの年齢や人数によって異なります。
婚姻費用の分担請求調停という方法も
別居中でも婚姻費用を受け取れますが、そもそも話し合いができない、支払ってもらえないという場合もあります。
その場合、「婚姻費用の分担請求調停」を申し立てるという方法があります。
申立費用は「収入印紙1200円分と連絡用の郵便切手」。調停では夫婦の資産や収入、支出などを双方から聴き、解決のために話し合いが進められます。
調停が不成立になった場合は裁判官が必要な審理を行い、審判によって結論が出されます。
ただし、調停を申し込んでから実際にはじまるまでには時間がかかります。それまでの生活費などもありますので、早めに情報収集をおこなうといいでしょう。
婚姻費用の支払い、4人に1人が「弁護士や裁判所などの手続き」
別居となればなかなか話し合いができなかったり、やりとりをしたくなかったりという場合もあると思います。
法務省「令和2年度法務省委託調査研究協議離婚に関する実態調査結果の概要」によれば、婚姻費用の支払いがされた理由は以下の通り。
婚姻費用が払われた理由
- 離婚した相手と話し合って決めたから:76.6%
- 弁護士など専門家を通じて請求した/請求されたから:19.2%
- 裁判所の手続きで決まったから:4.2%
- その他:6.0%
7割以上が話し合いで支払いが行われた一方で、4人に1人の割合で弁護士や裁判所といった外部の手続きのもと支払いがおこなわれています。
今後の生活を考え、外部への相談も必要な手続きと考えるのも一つでしょう。
悔いのない選択を
厚生労働省「令和4年度 離婚に関する統計の概況」によれば、2020年の離婚件数は19万3000組でした。
離婚に関する意見はさまざまですが、ご家庭により事情は千差万別。結局は当人同士の問題であり、ご自身で自分の人生を考え、選択と行動をしていくことになります。
今回のような情報を含め、悩まれている方はまずは情報収集や専門家等への相談なども考えてみてくださいね。



