2023年になっても、値上げはまだまだ収まりそうにありません。もっとお金があればいいのに、と思うこともありますよね。
実は、厚生年金と国民年金の合計が「月平均30万円以上」という高額受給者が存在します。彼らは一体、現役時代にいくらの年収を稼いでいたのでしょうか。
年金制度は改正を続け、また家族のあり方や受け取り方によっても支給額が異なるため、ここではモデル世帯として試算してみたいと思います。
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1. 厚生年金と国民年金「月30万円以上」の割合とは
まずは、いわゆる「高額受給者」が何割ぐらいいるのか確認していきます。
厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2020年度末時点での厚生年金の受給者は1610万133人です。
年金支給額ごとの人数を1万円刻みで確認しましょう。
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
※国民年金を含む
「30万円以上」のゾーンに属するのは1万6721人。ここから、全体の1%未満であることがわかります。
ちなみに、厚生年金に加入せず、国民年金のみという方もいます。厚生労働省の同資料によると、国民年金の受給権者数は3328万1594人。
つまり、このうち半分ほどしか厚生年金に加入していないのです。国民年金だけでは、月平均は満額でも6万円台です。
こうした方も含めると、年金で30万円以上をもらうというのはかなりの少数派であることがわかります。
次では、厚生年金をひと月30万円受け取る人の、「現役時代の収入」がどのくらいだったかを推測していきます。
2. 厚生年金を月30万円以上受け取る人は年収いくらだった?
ここからは、実際に厚生年金の受給額がどのように計算されるのかを確認していきます。
厚生年金の年金額(報酬比例部分)の計算式は以下の通りです。
(1)平成15年3月以前=平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月以前の月数
(2)平成15年4月以後=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以後の月数
(1)+(2)=厚生年金の年金額(報酬比例部分)
※7.125/1000および5.481/1000は、昭和21(1946)年4月2日以後生まれの人の乗率
平均標準報酬月額は「月給の平均額」のことで、平均標準報酬額は「月給と賞与を合わせて12で割った額」です。
高額受給者のモデルとなる人を「平成15年4月以後に40年間加入し、国民年金は満額納めて78万円受け取れる」と設定し、当時の年収を試算してみましょう。
厚生年金の報酬比例部分=360万円(月30万円)-78万円(国民年金部分)=282万円
平均標準報酬額×5.481/1000×480月=282万円
平均標準報酬額=約107万円
107万円×12=1284万円
以上より、厚生年金で「月30万円」を受け取るためには年収約1284万円以上が必要だとわかります。
これは40年間を通した平均であるため、初任給からこれだけの高額を稼ぐのは至難の業だと言えます。
中には「初任給はもっと低くても、年代とともに高額を稼げば40年の平均で1284万円になりそう」と思う方がいるかもしれません。
しかし、厚生年金保険料には上限があり、等級32(標準報酬月額65万円)が最高になります。つまり、あとから年収をいくらあげても、若い頃の分までカバーすることは困難なのです。
これから高額受給を目指すのは、難しいと言えるでしょう。
3. 年金を増やす方法
もし年金を増やしたい場合、高い年収を稼ぐ以外にも方法はあります。
3.1 繰下げ受給
繰下げ受給とは、年金の受給開始を65歳より後に遅らせることで、受給額をあげるという制度です。
例えば66歳まで待つなら8.4%増えますし、75歳まで待てば84%も増やせます。ただし、年金がもらえない間の収入確保が必須になるでしょう。
年金の増加に合わせて、税金や保険料の負担が増えることにも注意が必要です。
3.2 加給年金
65歳未満の配偶者がいる方や、18歳まで(一定の障害がある場合は20歳まで)の子どもがいる方には、加給年金が上乗せされることがあります。
これは個々の条件によってことなるため、ねんきん定期便等には記載されていません。
生計を維持していることや、厚生年金の加入期間等にも要件があるため、自分が該当するのか事前に確認しておくといいでしょう。
4. 年金以外に貯蓄も重要に
厚生年金と国民年金を月平均で30万円以上も受給する人の割合や、そのモデルとなる方の現役時代の年収を試算してみました。
30万円以上を目指すのは困難ですが、繰下げ受給等の方法はあります。
また、年金だけに頼るのではなく、貯蓄で備えることも重要になるでしょう。年金の見込額を知った上で、足りない分の貯蓄を始めていってはいかがでしょうか。
※本記事は2022年12月22日時点の最新公開データをもとに執筆されたものです。



