書類の複雑さから、年末調整が苦手な人もいるのではないでしょうか。
年末調整は、概算の所得税と本来の税額との差を調整するための大切な手続きです。また年末調整をすることで、さまざまな控除が受けられます。
本記事では、年末調整で受けられる所得控除について、説明します。
年末調整で受けられる所得控除は?
年末調整では、「所得控除」を受けられます。所得控除とは、所得税を計算する際に所得から一定の金額を差し引くことを指します。まずは、年末調整で受けられる所得控除を紹介します。
基礎控除
誰にでも適用されるのが基礎控除です。合計所得金額が2400万円以下なら、48万円の控除が受けられます。2400万円を超える場合は、合計所得金額に応じた金額が控除されます。
配偶者控除
配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に受けられる控除です。本人の合計所得金額と配偶者の年齢によって金額が変わってきます。配偶者が69歳以下であれば最高38万円、70歳以上の場合は最高48万円の控除が受けられます。
配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額が48万円以上133万円以下の場合に受けられる控除です。金額は1万円~38万円です
扶養控除
扶養控除とは、合計所得金額が48万円以下の扶養親族がいる場合に受けられる控除です。特定の要件に該当すれば上乗せされますが、一般の扶養親族の場合38万円の控除が受けられます。
生命保険料控除
生命保険や介護医療保険などの保険料を支払っている場合、生命保険料控除が受けられます。保険ごとに控除限度額が決められていて、すべての保険合わせて12万円までの控除が受けられます。
地震保険料控除
地震保険料控除は、地震保険や損害保険の保険料を支払っている場合に受けられる控除です。控除限度額は5万円です。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済掛金や確定拠出年金を支払っている場合に受けられます。小規模企業共済掛金には限度額がなく、その年に支払った金額がすべて控除されます。
障害者控除
本人や配偶者、扶養親族が障害者の場合に受けられる控除です。原則1人あたり27万円の控除が受けられますが、特別障害に該当する場合なら40万円、特別障害者と同居している場合なら75万円が控除されます。
ひとり親控除・寡婦控除
申告者がひとり親や寡婦の場合に受けられる控除で、一律35万円の控除が受けられます。また、寡婦の場合は27万円の控除が受けられます。
勤労学生控除
本人が勤労学生だった場合に受けられる控除です。給与所得があり合計所得金額が75万円で、特定される学校の学生の場合に控除が受けられます。金額は一律27万円です。
年末調整の書き方は?ポイントを押さえよう
ここまで、年末調整で受けられる所得控除を紹介してきました。ここからは、年末調整の書き方のポイントを説明します。紹介した控除をしっかり受けるためにも、参考にしてください。
年末調整の書類は次の3種類があります。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
また対象になる場合、「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」もあります。
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の氏名欄は、必ず記入する点に注意しましょう。氏名・個人番号・住所・生年月日・世帯主・続柄・配偶者の有無を記入します。
なお「あなたとの続柄」では、世帯主に対して自分が何にあたるかではなく、あなたに対して世帯主が何にあたるかを記入してください。
給与所得者の基礎控除申告書兼偶配者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書
基礎控除を受けるには必要な書類です。本人の合計所得金額や、配偶者の合計所得金額を記入します。基礎控除を受けるには必要な書類ですから、配偶者控除等を受けない場合でも、基礎控除申告書の欄のみを記入して提出する必要があります。
給与所得者の保険料控除申告書
保険料控除申告書は、「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の欄に分かれています。生命保険料控除には旧制度と新制度がありますが、合計保険料をそれぞれ計算します。申請書の下部にある計算式にあてはめて出た金額を記入しましょう。保険会社から送られてきている「控除証明書」を忘れず添付してください。
年末調整の書き方を知る
文字がびっしり書いてある書類を見ると、年末調整が面倒に感じてしまうものですよね。
しかし年末調整で正しく申告すれば、さまざまな控除が受けられます。また所得税を払い過ぎていた場合の還付を受けるためにも、所得税をただしく納めるためにも、年末調整は大切な手続きです。
年末調整について、しっかり理解しておきましょう。



