12月はボーナスが支給されたり、年末調整にていつもより振り込まれた給与が高かったりと、少しお財布に余裕がある方も多いかと思います。

しかし年金生活になれば、収入はほぼ一定になり、臨時収入等もあまりありません。

そんな中、一定の条件を満たす方が受け取れる「加入年金」という制度をご存知でしょうか。

年の差夫婦や晩産家庭においては、要件によって厚生年金が38万8900円も上乗せされる可能性があるのです。

詳しく見ていきましょう。

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1. 厚生年金に上乗せされる加給年金とは

加給年金とは、年下の配偶者や、18歳になった後の年度末までの子(または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)がいる場合、老齢厚生年金に上乗せされる年金のことです。

1.1 対象者と加給年金額

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出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

配偶者が65歳未満の場合、加給年金として原則22万3800円が上乗せされます。

1.2 加給年金の要件

年齢を満たすだけでは、加給年金を受け取れないケースもあります。加給年金の年齢以外の受給要件は次の通りです。

  • 厚生年金保険の被保険者期間が原則20年以上ある
  • 老齢厚生年金の受給者に、配偶者や子どもは生計を維持されている

さらに、配偶者が老齢厚生年金(被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が40歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限る)、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利があるとき、または障害年金を受けられる間は、配偶者加給年金額は支給停止となります。

2. 加給年金の特別加算額とは

加給年金には、老齢厚生年金を受けている方の生年月日に応じた特別加算もあります。

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出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

受給権者の生年月日が1943年(昭和18年)4月2日以降であれば、特別加算は16万5100円です。加給年金と合わせると、合計で38万8900円も上乗せされることになります。

ちなみに、厚生労働省「令和2年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、2020年度の厚生年金の平均は約14万円でした。

年額で168万円とすると、加給年金をあわせて206万8900円になる計算です。

ただし、2022年4月以降、この加給年金の制度が改定されました。対象外になる方もいるので注意が必要です。

詳しくみていきましょう。

3. 【加給年金】2022年4月以降の停止と経過措置

2022年4月の改正により、一定の配偶者加給年金は支給停止されることとなりました。

具体的には、配偶者が老齢厚生年金や退職共済年金などを実際に受け取っていなくても、受け取る権利がある(在職により支給停止となっている場合等)というケースです。

そもそも加給年金とは、扶養家族がいる方に対する家族手当という性質なので、収入がある場合に手当を加算する必要はないという背景から、見直しが進められました。

ただし、現状では経過措置が設けられています。

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出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

  1. 令和4年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている
  2. 令和4年3月時点で、加給年金額の対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権を有しており、全額が支給停止されている

上記の要件をどちらも満たす場合は、経過措置として4月以降も引き続き加給年金の支給が継続されます。

4. 加給年金は届け出が必要

加給年金を加算してもらうには、届け出が必要となります。加給年金額は、原則として加算開始日が属する月の翌月分から受け取れます。

もし特別支給の老齢厚生年金の請求時に、加給年金額の有無が確認されていなかった場合は、「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」という書類にて申請することが必要です。

自分が対象になるかどうか不明な場合は、年金事務所または街角の年金相談センターなどに相談してみましょう。

また、加給年金の対象とならなくなった場合にも申請が必要となるケースがあります。あわせて確認しましょう。

5. 加給年金のまとめ

加給年金は、一定の要件を満たす配偶者や子どもがいる場合、年金に加算されるものです。子どもが小さい方や年下の配偶者がいる方などは、請求漏れがないように確認しましょう。

また、制度が改正されることにより、受給要件から外れてしまうケースもあります。制度の動向は注視しておきたいですね。

※本記事は2022年12月22日時点の最新公開データをもとに執筆されたものです。

参考資料

太田 彩子