令和5年度の大学入学共通テストは1月14日(土)、15日(日)に実施されます。

受験生にとってはラストスパートをかける時期となってきました。子どもの合格を願う一方で、進学後のお金の心配をする親御さんも多いと思います。

そこで、大学受験のための費用から、大学入学~卒業までの学費と生活費の平均額をご紹介します。また、足りなくなった時にどうするか、奨学金や教育ローンについてもお伝えします。

大学受験から入学までにかかる費用

大学を受験するには、受験料のほかに、受験のための交通費や宿泊費がかかります。

合格して進学する大学が決まったら、学校納付金(入学金、寄付金、学校債など)を入学時に支払わなければなりません。さらに、受験して合格はしたけれど、入学しなかった学校への納付金もあります。これらの受験から入学までにかかる費用を、日本政策金融公庫の「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」からみてみましょう。

大学受験から入学までにかかる費用(子ども1人あたり)1/4

大学受験から入学までにかかる費用(子ども1人あたり)

出所:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」をもとに筆者作成



国公立大学で67万2000円、私立大学文系で81万8000円、私立大学理系で88万8000円となりました。

これらの費用は大学に通う前に払う費用なので、事前に準備しておかなければなりません。また、多くの大学では、入学金と前期の授業料を同時に納入する形をとっているため、大学の授業料がいくらなのか把握しておき、それも含めて準備しておく必要があります。

さらに、自宅外通学をする場合は、アパートの敷金・礼金、家財道具の購入費などの資金も準備しておかなければなりません。

同調査によると、自宅外通学を始めるための費用として、平均38万7000円かかっています。

【大学学費】在学4年間にかかる費用を国立・私立別に確認

大学に4年間通った場合、大学の授業料などの学費のほかに、自宅外から通えば家賃などを含めた生活費がかかってきます。

そこで、卒業までに学生生活費(学費+生活費)がどのくらいかかるのか、日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査結果」から、大学生活1年間の支出をもとに計算してみたいと思います。

大学生(昼間部)の1年間の学生生活費内訳

自宅から通う場合2/4

自宅から通う場合

出所:日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」をもとに筆者作成

下宿、アパート、その他の場合3/4

下宿、アパート、その他の場合

出所:日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」をもとに筆者作成

自宅生の場合は住居や光熱費がかからず、食費も抑えられるため、学費と生活費を合わせた1年間の学生生活費は国立で98万7100円、私立で170万4800円となっています。

一方、下宿やアパートを借りて大学に通う場合は、国立、私立どちらの場合も生活費は年間100万円を超え、1年間の学生生活費は国立で172万1800円、私立で241万4300円となっています。

これらの学生生活費を4倍にして、4年間の総額を出してみました。

4年間の学生生活費総額4/4

4年間の学生生活費総額

出所:日本学生支援機構「令和2年度 学生生活調査結果」をもとに筆者作成

自宅生で400万円~700万円程度、下宿生で700万円~1000万円程度かかるといえるでしょう。

これに加えて、大学入学前にかかる費用70万円~130万円もみておかなければなりません。これは子ども1人あたりの大学進学ための費用となるので、子どもが増えれば、この額の2倍、3倍とかかることになります。

教育費が足りない場合の対処法2つ

学資保険や預貯金を使って、大学進学のための費用を準備したとしても、それだけでは不足することがあります。教育資金が足りない場合は次の方法があります。

教育費が足りない場合の対処法1.奨学金を利用する

日本学生支援機構の奨学金など、何らかの奨学金を受給している者の割合は、49.6%(令和2年度)となっています。約半数が奨学金を利用していることになります。

奨学金には返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」があり、「給付型」の方が学力や収入などの審査基準が厳しくなります。

住民税非課税世帯やそれに準ずる世帯であれば、大学無償化制度により、授業料の減免や給付型奨学金が利用できます。

該当しない場合は、別の方法で給付型の奨学金を探すか、貸与型の奨学金を利用することになります。

奨学金は日本学生支援機構だけでなく、大学が独自の奨学金制度を設けていたり、民間の育英団体や地方自治体による奨学金制度もあります。申し込みは学校を通して行うことが多いので、大学の学生課窓口で聞いてみるといいでしょう。

貸与型の奨学金は、大学生の本人が卒業後に返済していかなければなりません。そのため、貸与型を利用する場合は、返済計画を立てて、借り過ぎないように留意する必要があります。

教育費が足りない場合の対処法2.教育ローンを利用する

奨学金は本人(子ども)が借りるのに対し、教育ローンは保護者(親)が借りるものです。そのため、子どもに将来的な負担を強いる貸与型の奨学金に抵抗があるのであれば、教育ローンを利用するとよいでしょう。

教育ローンには、国の教育ローン(教育一般貸付)と民間金融機関の教育ローンがあります。

国の教育ローンは、ひとり親家庭や子どもが3人以上の一部世帯など、家庭の状況に応じた金利や保証料の優遇があるのが特徴です。

民間の教育ローンは年収要件や使い道に制限がないなど、幅広く利用できます。

また、奨学金は入学後に利用できるのに対して、教育ローンはいつでも申し込みが可能なため、入学前の資金準備に対応できます。

まとめにかえて

大学進学のための費用は教育費の中で大きな比重を占めます。そのため、長い期間をかけて大学の学費を積み立てているご家庭は多いことでしょう。

ただ、漠然と貯めているだけでは、それで十分なのか不安になります。いつまでにいくら必要なのか、総額はいくらになるのか大まかでも知っておくと資金計画を立てやすいでしょう。

奨学金をすぐに利用するのであれば、高校在学中に申し込みの手続きをしなければなりません。そのためにも、必要額の目安を出し、不足があれば早めに対策を考えましょう。

子どもの将来設計に関わる話でもあるため、親子で話し合って決められるといいですね。

参考資料

石倉 博子