2. 繰下げ受給の注意点

ただし、繰下げ受給には注意しておきたいポイントもあります。

2.1 年金受給までの収入確保が必須

70歳まで年金の受給を遅らせるとなると、それまでの収入確保が必須となります。

定年退職が60歳という企業もまだあるでしょう。再雇用や再就職を行っても、60代の給与は少なくなることが一般的です。

健康や家族の介護問題もあります。こうした条件をクリアし、70歳まで収入を確保できる人が選択できる手段となります。

2.2 年金が増えると税金や保険料が増える

厚生年金や国民年金は雑所得となり、税金や保険料がかかります。特に税金に関しては、一定ラインを超えると課税の対象となるため、「繰下げ受給で増えた分、引かれるお金が急激に増えて手取りが減る」という現象も起きやすいです。

こうした負担の増加に注意しましょう。

2.3 加給年金が受け取れない

加入年金とは、一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる、年金の扶養手当のようなものです。

繰下げ受給を行うと加給年金が受け取れないため、全体の受給額が減る可能性もあります。

こうしたデメリットも踏まえ、繰下げ受給の選択は総合的に考えたいですね。