2. 繰下げ受給の注意点
ただし、繰下げ受給には注意しておきたいポイントもあります。
2.1 年金受給までの収入確保が必須
70歳まで年金の受給を遅らせるとなると、それまでの収入確保が必須となります。
定年退職が60歳という企業もまだあるでしょう。再雇用や再就職を行っても、60代の給与は少なくなることが一般的です。
健康や家族の介護問題もあります。こうした条件をクリアし、70歳まで収入を確保できる人が選択できる手段となります。
2.2 年金が増えると税金や保険料が増える
厚生年金や国民年金は雑所得となり、税金や保険料がかかります。特に税金に関しては、一定ラインを超えると課税の対象となるため、「繰下げ受給で増えた分、引かれるお金が急激に増えて手取りが減る」という現象も起きやすいです。
こうした負担の増加に注意しましょう。
2.3 加給年金が受け取れない
加入年金とは、一定の条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる、年金の扶養手当のようなものです。
繰下げ受給を行うと加給年金が受け取れないため、全体の受給額が減る可能性もあります。
こうしたデメリットも踏まえ、繰下げ受給の選択は総合的に考えたいですね。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。(2026年6月26日更新)